2020年度21CEO第1回オンライン定例会「学びの未来へ」(5)

21世紀型教育機構は、グローバル教育3.0を確実に実現するために、細かな項目によって外部評価を受ける仕組みを取り入れてきました。

例えば「高校卒業時に英語力がCEFRのC1レベルに達している生徒が全体の30%に達しているかどうか、B2レベルの生徒はどうか」などといった細かな項目によって、毎年アクレディテーションを行い、認定証を発行しています。福原将之氏と神崎史彦氏にアクレディテーションを委託しているのは、お二方とも会社経営者として独立しており、それぞれICTやPBLといった面における専門性を発揮しつつ、学校の成長を定点観測できる立場にいるからです。

また、教育関連の著書を出版し、講演会でも活躍されている理事の石川一郎先生にもアクレディテーションにおける考え方の後方支援をお願いしています。思考コードやブルームタキソノミーによる思考の次元の分類などを様々な場で広めていただいています。

石川先生からは、21CEOでキーワードとしていた「創造的破壊」が本当に到来したという見方が示されました。これまで自明だった世界がある意味で破壊されたのが、今回の危機であるが、それはしかし、次の世界を創り出す機会でもあるのだというビジョンに基づくものです。

時代は変わっていきます。かつて英語到達目標をCEFRのC1と掲げた時、機構の外部にいる教育関係者の中には現実離れしているという冷ややかな態度をとった人もいましたが、「世界の学校」に仲間入りするにはどうしても必要な目標基準の一つです。日本の大学に進学するのでも世界と対話できる力を身につけることが必須のスキルだという考え方からすれば、C1レベルを目標にすることは論理的必然であるわけです。

現在の加盟校はすべてクオリティ21世紀型教育校以上のスコアをクリアしている学校で、さらにそれぞれの目標を掲げて邁進しています。

今回の新型肺炎による休校は、オンライン学習への対応力が問われるものとなりましたが、すでにタブレットやラップトップが生徒全員に行き渡るように準備していた21世紀型教育機構の学校にとっては、その対応は至極スムーズに行われることになったわけです。

その対応の早さについては、首都圏の私立中高を中心に150校ほどのアンケート調査を行った首都圏模試センターの山下氏や北氏からもお墨付きをいただくほどでした。アンケートの結果からは、公立に比べて私立のオンライン導入が進んでいた結果は明らかだったということですが、中でも21世紀型教育機構加盟校の動きの早さは群を抜いており、保護者にもっとアピールできる点でもあるというアドバイスをいただきました。

21世紀型教育機構の基準からすればオンライン対応は当たり前です。Web 3.0=グローバルイマージョンとは、世界と日常的につながっていることを意味しています。

 

定例会の最後を締めくくる言葉は、聖パウロ学園理事長の高橋博先生にお願いしました。高橋先生は、在校生はもちろん、新入生保護者から「私学に入れて良かった」という声がもらえたことがとても印象に残っているとお話され、こういう声を忘れないようにケアをしていただきたいという激励と、長い定例会の参加をねぎらう言葉を頂戴して、2時間半を超えるオンライン定例会はお開きとなりました。

 

今やオンラインはリアルの代替なのではなく、もう一つのリアルです。ICTの進化は、学びの新たな地平を創り出す方向に加速していくことでしょう。本当の21世紀型教育というのはここから始まっていくのだと強く感じた定例会でした。

 

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