八雲学園 新しいステージ“Inquiring Minds”(3)

再びハイスキル習得プログラム そして感性教育

近藤校長:私がケイトスクールに共鳴するのは、自分の学校の教育のクオリティが、即社会に受け入れられ評価されるということです。ですから、ケイトで学び、そこで一定の評価を受けたら、ハーバード大学でもスタンフォード大学でも、そのケイトスクールが出した評価を受け入れる。もちろん、SATやAPの成果もアプリケーションには添付するのだろうけれど、それよりもケイトスクールの教育のクオリティを信頼する。日本もそういう社会であってほしい。

だから、八雲学園は、教育の総合力で日本一になると掲げています。感性教育を完成するのだと覚悟を決めています。まだまだ日本は、生徒がどんなクオリティの教育環境で学んできたのかを、大学がリサーチすることはありませんが、グローバル時代にあって、大学も入試のあり方が問われています。

やがて、教育のクオリティが顧みられるようになるでしょう。私は、ケイトスクールに学びながら、そういう大学が海外にあるならば、日本の大学だけではなく、そういう海外の大学の進路も視野に入れようと思っています。

榑松先生:まさにその通りで、大学のネームバリューはどうでもよくて、入試制度に関してグローバルな視野を生徒とシェアできるような環境をつくることが大切です。私の今回のリサーチのもう一つは、この視野を適用できるプログラムをつくれる場所を探すことでした。

ケイトスクールもそうでうすが、向こうの高校や大学は、山の中にある学校が多いですね。ハーバード大学というのは、世界ランキング1位だとか2位だとか、等級的な感覚で見られがちだけれど、それはほんの一部にすぎない。この森の中の学校に立ち寄ると、身に染みてよくわかる。

ハーバード大学出身者に、ヘンリー・デイヴィッド・ソローやラルフ・ワルド・エマーソンがいますが、今も継承されているアメリカの大きな精神の1つです。彼らが今の大消費社会のアメリカをみたら、グローバルシチズンシップとして、ガンジーやキング牧師と同じような思想を語ったてでしょう。ソローは森の中で1人内省しながらそうしたでしょうね。

何を言いたいかというと、このような森の空間で、研修プログラムを実施したら、生徒は自分を振り返り、人間とは何か、自分とは何か、何をなさねばならないのか、大きな変貌を遂げると思います。

菅原先生:そのような体験は、たしかに今の日本ではあまりに便利すぎてできませんね。感性教育の進化には、そのような特別な場所は重要かもしれません。

近藤校長:それほどの教育のクオリティを追究している八雲学園の社会的評価は、必ず高まると思う。それに、今回は英語教育の底上げの次のステージ。先ほどもケイトスクールとの新たな交流の話がでていたようだが、そのためにはさらにハイスキルの英語教育をしなければならないと思っています。

八雲学園の感性教育は、寛容の精神、リスペクトの精神、探求の精神、ウェルカムの精神などの総合力でできていますが、さらにグローバルな世界では、価値観も考え方も違う国の人々とコミュニケーションをしなければなりません。それは楽しいだけではなく、タフな精神力も必要になってくるでしょう。

国内の大学入試を突破する以上にタフネスが要求されるかもしれません。榑松先生のアイデアが、いつぐらいまでにできるかどうか、それは今のところわかりませんが、先生方といっしょに試行錯誤を始めたいと思います。

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