工学院 科学の目が輝く授業(3)
工学院の教育バージョンアップへの意志は、工学院大学学園125周年記念で根岸博士が講演したとき決定的だった。博士は、工学院の中高生に「誰にでも、夢を追い続ける素質と資格がある」とエールを贈った。ノーベル賞受賞の確率は1000万分の1だが、10の7乗分の1だと置き換えれば、「10分の1の選抜を7段階通過すればよい」のだから、現実味のある夢だろうと。
「誰にでも」可能性が開かれているという発想こそ、科学学校としての工学院の根源的存在理由である。さらに、根岸博士は、夢を見つけたら、とことん追求すべきで、そうしていくとやがて舞台は世界につながると語った。
つまり、「競争の場を世界に求めて、学ぶための師も世界単位で探し、自立心と協調性を常に持ちながら、チャレンジしてください」と。この時から平方校長にバトンはひきつがれ、先生方と一丸となって、工学院附属中高のビジョンの確認とその実現のためのバージョンアップの取り組みが始まった。理科教室から科学教室へのバージョンアップもその流れであるのは言うまでもない。