三田国際学園 広がる「相互通行型授業」(3)
高3の日本史。大学受験勉強に突入した秋、どんな相互通行型授業をするのだろうか。大学受験勉強というと、どうしても演習中心の授業になるのが一般的ではないだろうか。そう思って授業を拝見したが、この時期に適った相互通行型授業というものがあった。
高3の日本史。大学受験勉強に突入した秋、どんな相互通行型授業をするのだろうか。大学受験勉強というと、どうしても演習中心の授業になるのが一般的ではないだろうか。そう思って授業を拝見したが、この時期に適った相互通行型授業というものがあった。
高2の日本史の授業は、完璧な「相互通行型授業」だった。昨年、原田先生は高1から準備をしてきた。その成果がはやくも現れた。
今年6月、校名変更及び新しいカリキュラムを発表した三田国際学園中学校・高等学校(以降「三田国際」)。学校説明会の参加者が激増し、21世紀型教育の時代の扉を開いた。その人気の教育の中核は、「相互通行型授業」。
今やっと東京大学でも、「聞くだけの授業は、終わりにしよう」というスローガンのもと、大学教員、中高教員を対象としたオンラインによるノウハウ養成講座が始まるというのに、三田国際は来春からの新コース開設を目標に、昨年から準備が着々と進んでいる。原田啓志先生(進路・学習指導部)の挑戦を追った。by 本間勇人:私立学校研究家
具体性と一般化の相互通行
自問自答も相互通行型授業
戸板の広報部長今井先生は、自らも政治経済の授業を担当している。New Toitaの発信の要諦は、スーパーサイエンスコースとスーパーイングリッシュコースであるが、重要なことは、そのコースのカリキュラムが成立するための「中高6年間の授業の質」。質は、1時間の中で、どれだけ知識が結び付けられ体系が広がるか、その密度で測定される。
そして、知識と知識が結びつくには、一方通行の講義ではなく、相互通行の対話がカギである。そう今井先生は常に説いている。しかし、大事なことはその理念をどこまで実現できるかどうかである。学校の顔として「相互通行型授業」を説く以上、自らその実践者でなければならない。その覚悟の授業を取材した。
今年4月から、戸板の教育の進化は驀進の軌跡を描いている。スーパーサイエンスコースとスーパーイングリッシュコースの準備とそこからバックキャスティング手法で、中学から高校までのシラバスイノベーション、そしてそれに伴う授業イノベーションと加速しているのである。
グローバル教育のビジョンにむかって、あらゆる教育活動が有機的につながりはじめているため、その進化の密度とスピードは尋常ではない。授業イノベーションのプロットタイプをつくっている市川先生(日本史・生活指導部長)のさらなる授業の進化/深化/真価を取材した。 by 本間勇人:私立学校研究家