八雲学園 英語教育も総合力へ(エピローグ)

英語教育にテーマを絞った対談が終わりかけた頃、やっぱり総合力なのだというところに議論が立ち戻り、八雲学園の生徒たちの潜在力の話で盛り上がった。

(対談が終わった放課後、学内は定期テストに向けて勉強に集中していた。)

総合力を世界に発信する英語教育

横山先生:広報の仕事もしている関係で、外に行くと多方面の方々から八雲の英語教育について聞かれることは多いのですが、それに答えているうちに、グローバルという単語を使っている以上は、グローバルでないということ示唆しているのではないかと思うに至りました。

グローバルな影響は、すでに生徒のまわりにあるし、身近な生活にあります。どこか遠くにグローバルな世界があるのではなく、いまここにあります。この環境で、いまここで自分の想いや考えを述べられないのに、英語を使ってコミュニケーションができれば、あるいはどこか海外に行ったら突然話せるようになるということはないのです。

と言いながらも、ツールとしての英語は大切なのですが、それ以上のものが、生徒自身の内側にきちんとないとねと思います。

田畑先生:そうだと思います。英語だけでその内側を豊かにできるかというと、それは八雲学園全体で協力して作っていくものだし、作っているのだと思います。教科としての英語は学ぶけれど、必ずしも英語それ自体に興味がないという生徒もいます。

横山先生:生徒たちはいろいろな興味や関心を持っています。アニメのクラブの生徒などは、独自の世界を持っているのです。この世界を内側に持っているからこそ、外国の方々とも対話ができるということもあるでしょう。

田畑先生:たしかに、ケイトスクールからホームステイにやってきた生徒たちと日本のアニメについて大いに議論していましたよ。

菅原先生:そういう世界を内側に豊かにしていくということは、英語の知性だけで育つわけではないですね。文化祭で花開いている生徒たちの多様な世界観は、八雲学園の総合力の賜物だと思います。

榑松先生:その世界観という生徒自身の世界は、実にグローバル社会で重要ですよ。自分の世界であれ、外の世界であれ、世界に興味があるから、その世界をなんとかしようとか、こういう世界をつくろうというリーダーシップが生まれる。

菅原先生:その意味で、たくさんの行事や部活がある八雲学園では、リーダーシップを必要とする機会があります。

榑松先生:だから留学の制度をつくるとき、他の学校のように英語が優秀な生徒だけを留学させるということは考えていない。強烈に世界に興味がある生徒を留学に出す。彼女が帰ってきたときに、おそらく猛烈に英語を勉強するということがあってもよい。英語ありきの留学ばかりではない。と言いながらも、グローバル社会では、英語が共通語であり、ツールとして使えなければ話にならないということもある。

近藤先生:だから、八雲学園は総合力で日本一になると言っているわけだけれど、時代は常に変わっているから、その時代に遭遇した生徒が、自分の世界観をそこでどう実現していくか、生徒の発達段階に応じてサポートしなければならないことはサポートしていく。

八雲学園は建学の時から英語を中心に教育を積み上げてきた。だから、英語を通して生徒をサポートしていくわけだが、その英語教育は、時代の変化とともに大きく変わっている。ここまで教育したからよいのだということはない最も世界に広がり進化する言葉だ。

私たちが一丸となって、この変化に取り組み、総合力を見失わないようにしているのは、1つのことにのめりこみ、一生懸命がんばっていることに満足しているうちに、いつの間にか置いてきぼりを食らっているというおそれがあるからだ。

新しい考え方が、借り物ではなく、私自身そして生徒自身の内側から生まれてくるように、これからも本物の体験を八雲全体で一丸となってしていきます。

そして、八雲生全体の底上げをはかり、全員一定水準以上の総合力を身につけられるようにしたい。それを大前提としてさらに優れた才能を開花して世界で活躍する人材が育って欲しい。

(放課後、部活も終わり、生徒たちが自習している間、次の日の説明会の準備をしている先生方)

(自分の世界を実現するために集中する八雲の生徒たち)

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