聖学院 本物教育で人気(3)

プロジェクト型授業の中で新しい評価を開発そしてその2つの目的

プレゼンテーションは、やはりリサーチから引き続いて同じチームで行われる。2度ほど授業を見学して感じたのは、3人というチーム編成が、実に緻密な計算でできあがっているということである。ここには、

①テーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼという3つの意見の角度が出やすいようになっている。

②編集やプレゼンのとき、イントロ―ボディーコンクルジョーンの流れに沿って役割分担ができる。

③プレゼンの時に、3人は何らかの役割を演じなくてはならず、見守っているという名のもとに手持無沙汰になる生徒がいない。

また、大野先生によると、3人の組み合わせは、日本史が得意不得意で偏りがでないように編成しているという。チームとして、モチベーションを生み出していくときには、メンバーは任意でよいということはないようだ。知的な作業もチームワークという学びも同時に行われているわけである。

さて、プロジェクト型授業の醍醐味は、評価である。評価する項目をルーブリックにしている。横軸は、成長のステージを認識するものだろう。縦軸は、プレゼン時のコンテンツとプレゼンテーションの出来上がりの質だけではなく、そこに到る学びの背景まで評価できるようになっている。プロセスとアウトカムの両方ということだろう。

生徒たちは自分たちも他のチームに対してもこの評価をしていくことによって、

①学びの方法をモニタリングできる(メタ認知の育成)

②学びをブラッシュアップするには何をどこまでトレーニングするかがわかる(モチベーションの生成)

かくして、評価というのは、今まで教師によって決定されてきたのが、自己決定へとシフトしたわけである。もちろん、教師側からも評価するから、ズレた場合は、自分たちの過剰な万能感や、逆に過度な自己否定感を調整できる。

ピーター・センゲの「学習する学校」では、3つの評価をカテゴライズしている。

・assessment of learning

・assemnet for learning 

・assessmnet as learning

聖学院のルーブリックを活用した評価方法は、3つ目のassessment as learningに相当する。偏差値教育の日本では、この評価にたどり着くには、相当時間を要すると思うが、2018年大学入試改革において1点刻みの得点によらない評価を試みるとは、まさにこの評価方法であり、聖学院がよきモデルを提供することになるだろう。

 

 

 

 

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