三田国際学園は、スーパーイングリッシュコース(SE)の相互通行授業の浸透度、イマージョン率、ICT活用度はどんどんアップしている。そんな中、ここ4週間、ドイツから留学生Sさんがやってきて、国際交流の旋風を巻き起こし帰国した。英語が堪能で、SEクラスメイトと、英語でコミュニケーション。
しかし、そこで使われている英語は、たんじゅんにコミュニケーションの道具ではなく、すでに感性そのものそして思考そのものにシフトしていた。by 本間勇人:私立学校研究家
Sさんのインタビューには、SEクラスの担任緒方先生と級友がいっしょにサポートしてくれた。もっとも、緒方先生は、SE生が通訳するサポートに回り、基本は、SさんとSE生の対話になっていた。
SE生の通訳によると、Sさんは、日本が大好きになり、また来年も日本にやってきて、やがては日本の大学に入りたいということのようだ。
ドイツとのスクールライフの違いについてたずねてみたが、驚くべきことに、ドイツの教師はプレッシャーがきついが、日本の先生はフレンドリーで、親切で、解放的で、大好きだという。
また、おべんとうをみんなで食べるランチの時間は、ドイツにはなく、とても新鮮だったし、生徒どうしの一体感がすてきだったという。
茶道や、華道などの部活も体験して、たいそう気に入ったが、そもそも部活はドイツの学校にはないので、こういう機会がある日本の学校は大好きであると。
4週間はあっという間に過ぎ、SE生もさみしくなる。もっと思い出を作りたかったと別れを惜しんでいた。もちろん、プリクラは撮ったそうだ。なにせ、ドイツにはないものらしい。
それにしても、彼女たちのグローバルセンサーはたいしたものである。実は「おべんとう」なるものは、ヨーロッパでは、大人気で、「obento」とそのまま使われているぐらいで、日本の様々な弁当箱が買われている。
キュートで、カラフフルで、ヘルシーで、コンパクトで、何よりも宝箱を開ける感覚が楽しいというセンス。高校生の彼女たちのグローバル教育は、そのような生活センスに密着したところから、ビジネスが生まれるヒントにつながっていくのかもしれない。
Sさんは、明るく楽しくワイワイガヤガヤの雰囲気がなつかしく、三田国際の先生方や友達のことが大好きであると何度も強調していた。
今井先生は、
「Sさんの話を聞いて、がんばってやってきた相互通行型授業を評価してもらえたと認識しています。抑圧的でないという感想は、教師と生徒のコミュニケーションを大切にしていることを指しているでしょうし、ワイワイガヤガヤ楽しくて騒々しいというのは、PBL型のアクティブラーニングのことを意味しているのだと思います。留学生に受け入れられる、留学生を受け入れることができる授業を構築しているのだと実感できました」
としみじみ語った。