八雲学園 体育祭「愛と革命と自由と」(3)

風をきる旗、意志を噴き上げる旗、未来を拓こうとする旗。高3生のダンスで舞う旗は、彼女たちの想いをたくさんの姿にのせて自在に変化した。あるときは軍隊の銃剣であり、その銃剣に倒れる民衆たちを悲しみながらつつむ旗そのものだった。

民衆は軍隊の前に全滅する。

とその時である。天使があらわれる。

物語レ・ミゼラブルとしては、ジャン・ヴァルジャンと民衆への想いが天使のダンスパフォーマンスによって表現されていたのであろうが、もちろん、これはダライ・ラマ法王の言葉ではないが、武器をもって戦うのではなく、対話によって闘いなさいというメッセージであり、高3生の自分たちは八雲学園で色々な体験をさせてもらい、その過程で喜びも葛藤もありましたが、こんなに満足していますというメッセージでもあることは間違いない。

だから、最後はそれぞれの役柄を超えて、みんなで舞い、旗で風を立ち上げた。全員の旗が勢いよく一糸乱れずたなびいた。そこから舞い上がる風はこうささやいた。

「私たちはこれでいいのです。こんなに自分を好きになれたし、友達ができました。そして、一人ひとり世界観を抱けました。自分を信じることができました。

先輩が積み上げてきた旗のダンスに、ミュージカルを交えるチャンレンジもできました。私たちも先輩と同じように、八雲学園の歴史をつくることができたと思います。こんなに光を浴びて歩いていけるのです。ありがとうございました。」

Twitter icon
Facebook icon