佼成学園女子 留学コース生が帰国報告

12月13日(土)に佼成学園女子中学高等学校で開催された、特進留学コース(KGGS)10期生帰国報告会に参加してきました。この報告会は、留学を終えた生徒たちが、身につけた英語力を披露するだけでなく、留学先の文化や歴史、ホストファミリーとの生活など、留学の経験について英語でプレゼンテーションを行うという企画です。会場には帰国した生徒のほか、生徒の保護者や教員の方、また来年度に留学に旅立つ高校1年生など、多くの聴衆が訪れ、帰国したばかりの10期生の報告を熱心に聞き入っていました。 by 吉川醇 (21会リサーチャー): 東京大学教育学部4年 

特進留学コース(KGGS)とは、高校1年生の1月から高校2年生の12月までの約1年間、在籍生がニュージーランドに留学するコースです。年々その在籍生徒は増え、今年は初めて2クラス、計46名が留学していました。留学受け入れ校は全部で22校あり、1校につき2~3名の生徒が分かれ、各々がホストファミリーや寮での生活を送っています。英語力を伸ばすだけでなく、人との繋がりを実感し、自立心を養い、精神的な成長を遂げる事が本プログラムの目的です。

プレゼンテーションに先立ち、校長の山内先生の挨拶がありました。山内校長は、留学前に46名の生徒に対し、カーネギーメロン大学のランディ教授の言葉をお掛けになりました。

夢を叶える道のりに、レンガの壁があるのには理由がある。
僕たちの行く手を阻むためにあるのではない。
その壁の向こうにある「何か」を、自分がどれほど真剣に望んでいるか、
証明するチャンスを与えているのだ。
そして留学から帰ってきたきみたちは、その「何か」を掴んで帰ってきた、それはきみたちにとって一生涯の宝物となるだろう。
 
山内校長に続いて留学生代表生徒の杉本さんも、留学先での生活や自分の心境の変化、そして周りの環境への感謝を、日本語と英語両方で、とても流暢に、堂々とスピーチしました。
また、本年度初の試みとして、英語教員のサラ先生と帰国した生徒5人で、パネルディスカッションが行われました。

「多民族社会における調和と共存」というテーマで、英語で議論が行われたのですが、みな英語を流暢に話すだけでなく、留学先の文化を知り、考え、自分の言葉として表現しており、会場からも感嘆の声が多くあがっていました。約1年間を他国で過ごしたことで、全員が日本についても客観的に分析できているのだな、と感じました。

生徒たちのプレゼンテーションは、学校生活や食事など身のまわりのことから、ニュージーランドの歴史や文化までバラエティに富んだものであり、時折ジョークを交えつつ、非常に流暢な英語で、自信を持って発表していました。
英語力に関して、全員が原稿もなしに流暢に英語を操っているということに驚くと同時に、留学先で彼女たちがいかに主体的にコミュニケーションをとってきたかを物語っていると感じました。私は現在大学生ですが、ここまでのレベルで英語でプレゼンテーションを行うことのできる学生は、周りを見渡してみてもほとんどいません。
特に印象に残ったのは、ニュージーランドの先住民であるマオリ人についてのプレゼンテーションです。HONGIと呼ばれる挨拶や、HAKAと呼ばれる現地の踊りをビデオを交えて紹介していたのですが、内容について興味を惹かれただけでなく、彼女たちが単に英語を学ぶだけでなく現地の文化に触れ、関心の幅を広げていった様子をプレゼンテーションから感じ取ることができ、私自身、とても刺激を受けました。
プレゼンテーションの後には、保護者代表からのお話もありました。親として、留学前後での子どもの成長(英語力だけでなく、自信をつけてきた、素直に感謝を述べられるようになった、など)を感じられただけでなく、自分自身も「親は子を見守ることしかできない」と感じ、子離れをする機会になったとおっしゃっていました。
 
留学するということは単に英語力をつけるだけでなく、留学先の文化に触れ、関心の幅を広げ、人として一回り大きく成長することなのだ、と改めて実感させられました。そして生徒本人の頑張りだけでなく、送り出す親、担任の先生、現地で巡り合う様々な方々、帰りを待つ在校生など、たくさんの方の支えがあってはじめて成り立つものなのだと。
生徒たちは留学を通して自分たちを支えている大きな力を感じ、感謝するようになります。そうした感謝の意を述べる場として、報告会が行われているわけです。
 
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