聖徳学園 グローバル × PBL × ICT

聖徳学園は「国際協力プロジェクト」という授業を高2生全員が年間を通じて行っています。グローバル教育センター長の山名和樹先生がJICA職員や大学の先生など外部の専門家と協力しながら育ててきた聖徳学園独自のPBLです。今年もその中間報告会があるというので見学してきました。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

聖徳学園の国際協力プロジェクトでは、実現可能な課題解決案を考え、それを実際に実行することがゴールとして設定されています。各国の課題をただリサーチして終わりにするのではなく、課題解決に向けた一歩を踏み出すところにこのプロジェクトの意味があります。

私が見学した日は、インドネシア担当のクラスとミクロネシア連邦担当のクラスによるプレゼンテーションが行われていたのですが、各国の課題の捉え方やその解決案、また生徒のプレゼンテーションスキルも格段に進化していました。

課題が深く掘り下げて捉えられているのは、先輩が行うポスターセッションにオーディエンスとして参加していることが大きく関係しているのでしょう。国際協力プロジェクトはすでに4年目を迎えているため、定例イベントのように聖徳学園の生徒の身近な問題意識となって根付いているのかもしれません。

情報の授業と協働することでICTをフル活用していることも特徴的で、動画を組み込んでプレゼンしているチームも目立ちました。SNSを利用した情報の拡散や啓蒙活動を解決案として提唱しているチームも多く、ICTの活用スキルが年々向上していることがよく分かります。

各チームが特定の国の課題をリサーチする中で、個々の課題が同じ根っこから出ていることに気付いていくというのも興味深い学びのプロセスです。水質汚染やゴミの大量廃棄などの環境問題、また肥満や伝染病など健康に関する問題など、いずれもグローバル経済によって引き起こされた影の部分です。そのマクロな構造的逆説を見据えつつ、ローカルな現実に心を寄せて課題解決への行動を起こしていくこと。そこに聖徳学園のPBLの真髄があるのでしょう。

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