奇跡の聖パウロ学園。高尾山に連なる聖パウロの森の中に、自然と社会と精神とそしてグローバルな世界をリンクする高等学校として在る。勝ち組負け組主義・目先の利益優先功利主義の広がる時代に東京はもちろん、日本全国から生徒が集まる学び舎。人としての存在の本質を求めて受験生と保護者は訪れていた。
本質を前面に出す学園が故に、最初からよく知っていてブースを訪れる人と会場に来て他の学校とどこか雰囲気が違うことに気づいてはじめて訪れる人とで教師は説明の仕方をしっかりと分けていた。
会場に来て初めて名前を知ったという保護者には、ガイドラインをゆっくり解説。何せカトリックの精神をベースにしていることを明快にしている(生徒獲得のために宗教性をあえて説明しない学校もある)ので、聞き手の戸惑いをきちんと受け入れながら、いきつもどりつして語っていく。安心と信頼。カトリックの大切にしている精神がそんなところにも表れていた。
聖パウロ学園をすで知っている保護者には、教師は笑顔でフランクな感じで接していた。とりわけ受験生は、進学実績や勉学以外に、思春期特有のアイデンティティの問題についてうまくいくかどうかまで真剣に耳を傾けていたのは印象的だった。
広い森や芸術工房、乗馬ができる施設など、都心の学校にはない豊かな空間が広がっている話は魅力的だった。米国のサッチャースクールに訪れたことがあるが、共通する雰囲気がある。
遠くにいかなくても、学びと自然体験、芸術体験ができてしまう。もちろん、カトリックの本山があるイタリア修学旅行の話も、他校にはない斬新なイメージを聴き手に開く。本格的なヨーロッパ主義の教育であるが、最近ではEUでは英語教育も盛ん。英語圏でないヨーロッパ大陸での英語体験の可能性もある。もっとも世界の英語力認定試験(たとえばTOEFL)の世界標準を決めているのはヨーロッパであることに意外と世の中は気づいていない。
高橋校長は、「カトリック学校の上智大学をはじめ、進学実績も今後ますます期待できる。しかし、大事なことは、自然と社会と精神とグローバルシチズンシップのトータルな人間力です」と。