第1回オンラインプレゼンテーション「幸福度デザイン」 最優秀賞は文化学園大学杉並チーム

8月23日(日)Zoomで実施し、Youtubeで配信した「幸福度を高める世界のデザイン」プレゼンテーションの審査が行われました。審査員の討議の結果、最優秀賞は文化学園大学杉並高校の「チーム:ECOいいこ」に決まりました。また、優秀賞は、聖学院高校「チーム:たこやき」、和洋九段女子高校「チーム:K-girls」、同じく和洋九段女子高校「チーム:Happiness3Ms(ハピネススリーエムズ)」に与えられます。

 

最優秀賞  文化学園大学杉並高校3年「チーム:ECOいいこ」佐藤 凛さん、大出ザマン紗良さん

地球環境という大きなテーマを扱いながら、楽しいアクティビティを通して地球に優しくなることが人々の幸福度を高めることにつながるという着想が斬新でした。環境問題というとえてして地球の悲惨な現状を語り、人々の倫理感に訴える方法を選択しがちです。しかし、「チームECOいいこ」のプレゼンにはそのような気負いがなく、楽しみながらエコを考えている点がむしろ持続可能性につながっていると言えるでしょう。使い捨てビニール袋をおしゃれなエコバッグに変身させる「デザイン」が「幸福度を高めるデザイン」であるという洒落にも感心させられました。これは、プレゼンの最初に幸福ホルモンの話を伏線としてしっかりと忍ばせていたことで、よりそのメッセージを視聴者に強く印象づけるものとなったと思います。全体として「チームECOいいこ」は、主張を強く述べる手法ではなく、楽しい雰囲気を伝える点に重きを置いており、それがスライドの色使いや動画や写真などのビジュアルの使い方の工夫にもつながっていました。

二人のチームワークの良さは、同じPCのカメラフレームに一緒に顔を映し出すことにも表れており、また、英語を使いながらも分かりやすくプレゼンしているところも圧巻でした。

 

優秀賞 聖学院高校3年「チーム:たこやき」三浦遼馬くん、岩崎秀直くん

 

聖学院の「チーム たこやき」は、幸福を感じるコミュニティのあり方がどのようなものなのかについてプレゼンテーションをしてくれました。失敗を許容できる環境の大切さを静かな口調で語る三浦くんの想いは、動画参加を余儀なくされたチームメイトの岩崎くんの動画に補足説明するなどといった配慮にも表れていました。岩崎くんの動画は、パラスポーツを通じて世代間のつながり、あるいは障がい者と健常者が一つになるような社会を構想している日々の活動がよくわかるものでした。Youtubeのチャットには、聖学院の児浦先生から応援メッセージがリアルタイムで届くなど、生徒や先生が信頼で結ばれている良好なコミュニケーション環境が伝わってくるプレゼンテーションとなっていました。

 

 

優秀賞 和洋九段女子高校2年「チームK-girls」 松本百花さん、染谷優奈さん、勝野江里子さん

 

幸福をめぐる考察から、世界について、そして、自分たちにできることにはどんなことがあるのか、と丁寧に考えていくプロセスがよく表れていました。幸福の中でも安全や生命に関する欲求を満たすことが最も大切なのではないかという考えのもと、自分たちが途上国の衛生を良くするための教育に貢献できるのではないかという結論に至ります。スマートフォンやSNS、電子書籍、そしてクラウドファンディングなど、現代特有のツールやサービスを用いることで、自分たちにもできる貢献があるという気づきを語ってくれました。途上国の人に小さな幸せを届けることが同時に自分たち先進国の人間にも幸福をもたらすのではないかという想いが伝わってきました。

 

 

優秀賞 和洋九段女子高校2年「チーム:Happiness3Ms(ハピネススリーエムズ)」山本真子さん、市川桃衣さん、中村美結さん

成長・挑戦・努力が続けられる社会が幸福度につながるという力強い主張が印象的でした。3人のプレゼンターが、それぞれに体験した民泊や、ホームステイやオンラインイベントを通して、挑戦が自分の成長につながり、それが自信を生み出した経緯を語りました。そして、日本人の自己肯定感が低くなっているのは、現代の日本社会に何か問題があるからなのではないかと考え、アメリカとの比較、また江戸時代との比較を通して、論理を積み上げていきます。リサーチがしっかりとなされ、それをプレゼンのアウトラインにうまく組み入れていたのが印象的でした。

チームHappiness3Msは、Zoomのバーチャル背景を揃え、三人とも制服を着てプレゼンに臨むなど、観てくれる人に配慮したビジュアルの統一感も素敵でした。

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