八雲学園 中2 スピーチコンテストで成長(1)

3月9日、八雲学園でスピーチコンテストが開催された。このスピーチコンテストは、中学校二年生が対象のイベントである。自分に関するテーマについて、英語の文章を考え、それを暗記し、更にそれを観客により伝わるようジェスチャーや抑揚や表情などを工夫、練習し、先生方や保護者の前で発表する、というイベントだ。
 
全員のスピーチは審査員の先生方によって評価され、終業式にて優秀者の発表が行われるとのことだ。by 松本実沙音:21会リサーチャー(東大文Ⅱ)
 
 

八雲学園のスピーチコンテストは、一般的に考えられるそれとは少し違う。一般的な中学校のスピーチコンテストでは、選出された特定の生徒だけが舞台の上でスピーチを披露する。
 
しかし、八雲のスピーチコンテストでは、中学校二年生「全員」が舞台の上にあがり、そこで英語でスピーチをするのだ。なぜなら、中学校一年生から三年生までの英語教育の過程のうちの、重要な役割をこのコンテストが担っているからだ。
 
八雲学園では、中学一年生では英語の朗読劇を英語祭にて発表する。中学二年生では今回のスピーチコンテストと、英語祭での英語劇。そして中学三年生では文化祭で英語劇を発表した後、ちょうど3月の今の時期に、アメリカのUCSBへ一週間の短期留学生として旅立つのだ。
 
 
アメリカへ行く前の準備として、生徒達は必ずこのスピーチコンテストを乗り越えなければならない。
 
では、スピーチコンテストに参加することは、具体的にどう渡米の準備となるのだろうか?
 
英語祭で、中学二年生の生徒たちは、自分の役の気持ちを推測し、それをどう表現すれば伝わるのかを工夫することで、台詞を「暗記する」こと以上に「理解する」ということを学ぶ。
 
スピーチコンテストにおいては、役の気持ちを推測する必要がない代わりに、「自分が何を伝えたいか」を生徒達はひとりひとり考えなければならないのだ。スピーチのテーマは、「私の夢」「私が尊敬する人」「私の部活」などが多かった。
 
これらの内容は、海外で、自己紹介の際にそのまま使えるようなものばかりだ。外国人が人と話す時、彼らは、何よりもまずコミュニケーションをとる相手について知りたがる傾向があると思う。
 
私が海外に住んでいた時も、「あなたのことを教えてください」「あなたはどう思いますか?」という問いを何度も投げかけられたことがある。という問いかけに答えていくのは、役の気持ちを考えること以上に難しいだろう。
 
実際、日本語でも、突然こう尋ねられてもすぐには語り始めることはできないだろう。ここで、「あなたのことを教えてください」「あなたはどう思いますか?」などの問いの答えにそのまま応用できるのが、今回のスピーチコンテストで生徒達が披露したスピーチそのものではないだろうか。
 
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