八雲学園 進化する“Have fun” (4)

休み時間に、菅原先生のところにやってきた高2の生徒がいた。中学受験の時に塾の先生より前に、八雲の先生と握手をしてしまった。それほど入りたくてたまらなかった。そして、あと1年半で卒業しなくてはならないことを、今から寂しく思っている。それほど八雲学園は楽しいというのである。

発見、努力、感謝

彼女は読書感想文(「まつぼっくり31号」所収)の中で、主人公と自分の気持ちを重ね合わせてこう語っている。

キャルパーニアは、ほんの些細な疑問から科学にのめり込んでいきました。そして、そこから自分の将来への希望を見出せるようになっていきました。キャルパーニアは私なら追求しないであろう疑問に目を向けたことによって、彼女の道は大きく変わっていった、そう思うとどんなに小さな疑問でも大切にするべきだと感じました。小さな事柄でもその人次第で、大きく膨らませることができます。だから、私は疑問が生じたら放っておかず、しっかり自分のものになるまで努力しようと思います。

この小さな事柄でも大きく膨らませるのは、自分次第という意志がもてたことに対し、彼女は先生方に感謝をし、八雲学園の生活を楽しいと思っているのである。もちろんこの小さな事柄は個性でもあり。それを膨らませる1人ひとりが集まるから八雲の行事は成就するのである。そしてどこまで大きく膨らませるのか、言うまでもなく大学受験準備を超えて、もっと彼方までである。

横山先生は、いまだに卒業した生徒のチュータだそうである。いつまでもどこまでも発見した自分を膨らませていく八雲生を見守る眼差し。この眼差しを感じることができるからこそ、安心して楽しむことができるのだろう。八雲生と卒業してまでもコラボレーションできるのは、この眼差しの支えあってこそである。そして、これこそ大学受験準備を超えて、自らを豊かにし続ける本物の進路指導なのである。

 

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