桜丘 臨界を突破して未来を描く教育環境(1)

6月23日(日)、桜丘中学(以降「桜丘」)は、説明会を開催。授業及びクラブの体験ワークショップも催された。とにかく桜丘の説明会は、スーパープレゼンテーションで有名だし、ベクトルも21世紀型教育をきっちりとらえられている。この新しい私立学校市場のステイクホルダーとしてイノベーターやアーリーアダプターがどのくらいいるのか、つまり支持者がどのくらいいるのか気になって訪れてみた。

すると、会場である体育館は満杯だった。21世紀型教育市場の支持者はこんなにいるのだと確信したが、それと同時に、桜丘のプレゼンを聴いて、ベクトルは同じでも、支持を得るにはそれぞれの学校の独自の創意工夫が強烈に必要であることも学んだ。その桜丘の独自の挑戦を紹介したい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

スーパープレゼンテーション

説明会のオープニングは、「ユリイカ」の曲で始まった。人気アニメ「宇宙兄弟」の主題歌の1つだが、この曲の選択には、説明会の布石になるメッセージが込められているというのは、参加者はすぐに了解できた。2025年の夢に向けて生きる兄弟の姿は、桜丘の生徒のベクトルに同期している。

はじめは、「自分の輪郭がどんなか見えない」自分。しかし、桜丘の教育環境で、「上がって 昇って 宇宙(そら)を貫いて、 世界を見下ろす高度まで、 鋼鉄の心臓で 目指した先の無重力まで」行こうというメッセージをシェアするところから始まったのである。

また、グローバル時代の激動を実感してもらうために、21世紀型スキルを表現している有名だ動画を流した。激動の時代を生徒が生きていくには、過去の「地図」をいくらたどっても、役に立たない。「コンパス」をつかって未来を自ら描くスキルが必要になるだろう。そして、その自ら描いた地図を瞬時にたどっていくには、浮上する「翼」を羽ばたかせる知のエネルギー=「教養」が大切になる。

桜丘のビジョンを、生徒たちにもなじみのある曲やインパクトのある動画のメタファを使って、一瞬にして参加者と共感するプレゼンテーション。それ自体新しい表現であり、この表現力が生徒の表現力とシンクロしているはずだと参加者はすぐに納得。「共感」とか「シェア」とか「共に」というキーワードが桜丘の特徴であることを印象付けた。

新しいキャリアデザイン3.0

2025年には、現在の仕事の65%以上は消滅して、新しい仕事が生まれていると言われている。そんな時代に、すでにある職業を調べ、その中から選択するキャリアデザインは全く無駄になる。ではどうするのか?

平校長は、「もちろん自ら仕事を創っていく個の力も必要であるが、一人の力ではそれはできない時代。他者と協力し合い分かち合って、新しい仕事を創り出していくことが求められます。そのために桜丘は教育環境を質量ともに磨き上げています。先生方と協力して。」と高らかに謳った。

この桜丘の質の高い教育環境とはどのように作り上げられていくのだろうか。

それに対しては、写真にあるような教育環境が提示された。「ウイング・タイム&コンパス・タイム」が何を示唆しているのか?それについては、今年1年かけてその間口の広さ、奥行きの深さをたっぷり味わってほしいということのようだ。参加者も、桜丘の魅力を焦らずじっくり探索していこうと思ったに違いない。今後の説明会も見逃せない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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