文部科学省は、2020年大学入試改革及び次期学習指導要領改訂を全国規模で行う前に、特に2007年以降、様々なモデルケースをつくって、リサーチをしていました。その結実がSGUやSGHですが、実はIB(国際バカロレア)と英国の大学入学準備教育(Aレベルテストなどに象徴)を水面下では極めて重要視してきました。
そして、前者からはTOK(知の理論)、後者からはクリティカルシンキングという学び方に深く興味を寄せ、学習指導要領の中に換骨奪胎して埋め込もうとしています。その動きが実は「学力の3要素」を鍛えるアクティブ・ラーニングです。
(UCサンタバーバラでのAAPの魅力を全校生徒に伝える3ヶ月留学メンバー)
となると、八雲学園の「感性教育」は、これらの学び方と精神を同じくすると言わざるを得ないことになります。
近藤隆平先生は、3ヶ月留学は、事前学習が3ヶ月、事後学習が3ヶ月あるから、実質的に9ヶ月留学コースだと、ついこの間まで語っていたのですが、今回インタビューしたところ、
「実は、9ヶ月どころではなくなってしまいました。今も週数回、メンバーがさらに学びたいというので、プログラムが続いています。ネイティブスピーカーの教師3人が、もちろんオールイングリッシュでチューターになってくれます。
アレン先生は、ステレオタイプに対してクリティカルシンキングを活用して対話しながら、メンバーと議論するところから始めています。知るというのはどういうことか、正しい知識とは何か?鵜呑みにしないということはわかっていても、人は何ゆえに先入観を持ってしまうものなのか?
そんなことを議論したあとに、同じ事件の記事を日本語の新聞と英字新聞の両方で読みます。そして、バイアスはどこにあるのかクリティカルシンキングのスキルをトレーニングしていきます。最終的にはレポートをメンバーは書いていきます。
(学習者がセンターに位置するのは、八雲学園も同じ。そしてまずは、知覚×感情×根拠×表現という感性教育がベースなのも八雲学園と同じ発想)
このAAP(アドバンスト・アカデミック・プログラム)は、“聞く”“話す”“読む”“書く”という4技能を統合して活用していくプログラムでありますが、同時にクリティカルシンキングを発揮し、知覚や感情がバイアスになり、論理をゆがめ、表現を不適切にしていく可能性も見破る知の理論も学んでいます」
と、「感性教育」と「TOK」の関係について明快に説明されました。
さらに菅原先生は、八雲学園メソッドについてこう話してくれました。
「八雲学園の成長は、やはり生徒とともに成長するという一大特色があります。どんなに優秀な教師が、何かこういう効果的なやり方があるからやろうよといっても、なかなか学園は動きません。
しかし、生徒がもっと学びたいというと教師はすぐに動き、環境を整えます。そして、その成果はまず外れたことがありません。ですから、留学生12人のように最初のペンギンのあとに続く生徒がたくさんでてきます。
(放課後、後輩の学習サポートに訪れるOGチューター)
これこそ八雲学園が生徒と共に成長するメソッドだと自負しています。また、それこそ生徒の主体性でしょう。サポートして、主体性が生まれ、またサポートし、成長し、互いにそのような果てしない物語を創造できたことに感謝し合う。こういう協働的な作業は八雲の得意とするところです。
(毎年1学期に行われているイエール大学との国際音楽交流が、グリー部結成や3ヶ月留学への挑戦などに火をつけた)
このAAPも、ミュージカルの部活《グリー部》や卒業生チューターのように、多くの生徒に広がってきます。最初は12人だった活動が来年はもっと増えているでしょう。C1英語への道も幅が広くなりますよ。」
つまり、八雲学園にとって「学力の3要素」は絵に描いた餅ではなく、実践を積み上げてきているから、モデルにするのは大いに歓迎するけれど、どうせやるのなら、本気でやって欲しいというエールを送ってくれているのです。
(八雲学園の表現力の原点はドリル部。毎年10月の体育祭最終プログラムは、ドリル部高3生の卒業演戯。全校生徒のマインドが最高に盛り上がる瞬間)
いよいよ2016年2月1日から、この八雲学園の魅力に気づいた受験生が続々同校の入試に立ち臨みます。また果てしないすてきな物語が始まるのです。2月21日は、この果てしない物語りをもっと詳しくそしてどこへ向かっているのか、菅原先生が語ります。ぜひ第2回21会中学入試セミナーにご参加ください。