21会座談会「思考力アクティブラーニング」in 聖学院(1)

2015年10月25日、東京女子学園において、第5回21会カンファレンスが開催されました。その際、同時開催で「思考力ワークショップ」が行われ、参加した生徒は、5時間続きの授業に取り組みました。楽しく学び、共感しながら議論し、深く思考したのです。

今回、思考力ワークショップは、21会各校のSGT(スーパーグロ-バルティーチャー)が学校を越境しコラボレーションして、プログラムを編集しました。そして、当日のワークショップを運営したのです。ここに到る過程は、そもそも21会が考えるアクティブラーニングとはどんな仕組みなのか?もっとも重要な「問い」の作り方はいかにして可能か?生徒自身が新たな問いを発見するにはどんな仕掛けが必要なのか?限られた時間でしたが、何度か集い学び合いました。

参加した生徒も、SGTも、東京女子学園の在校生チューターも、様々な気づきがあり、5時間オールアクティブラーニングで、ヘロヘロになりながらも、「おもしろかった」と興奮していました。しかしながら、一方で、SGTは、まだまだ改善点もあるこに気づき、振り返りしながらシェアしようということになったのです。そこで、さっそく聖学院に、同校の本橋先生、東京女子学園の落合先生、かえつ有明の佐野先生が座談会を開くことにしました。

3人は、SGTのリーダーで、21会ではSGTマスターと呼ばれています。by 本間勇人 私立学校研究家

(左から本橋先生、落合先生、佐野先生)

§1 教師の役割

本橋先生:今回私たちは、21会カンファレンスにおいて開催された5つの思考力セミナーすべてを俯瞰する役割をいただきました。「数理的思考力」、「レゴ思考力」、「iPad思考力」、「サイエンス思考力」、「論述記述型思考力」の5つのワークショップのサポートをしながら参与的観察をしていて、いろいろ気づきました。まずは一番の気づきはなんだったのか、そのあたりから話しましょうか。

落合先生:本橋先生が、今回の座談会に先立って送ってくれた気づきのレポートを拝読して、私自身にとっても、もっとも難しくて、その通りだと思ったのは、「教師やチューターに必要なこととして、沈黙を恐れない、ということが挙げられる」という指摘でした。子どもの手が止まり、何も発言がない姿を見ていると、私たちはどうしても不安になります。なんとか助けてあげたいと、おせっかいだとは知っていてもつい話しかけてしまいます。

本橋先生:思考力セミナーやアクティブラーニングを本格的にはじめてもう5年くらいになりますが、最初のころは私もそうでした。しかし、ワークシートの痕跡や最後に授業を通して気づいたことを書いてもらうのですが、それを見ると、子どもたちは思った以上にいろいろと考えていたんだということがだんだんわかってきました。

佐野先生:たしかに、見た目だけで判断しないようにしていかないと、一生懸命壁にぶつかって先に進めなくても、諦めずに立ち臨んでいるかもしれない。そのマインドを冷やしてしまうこともあるかもしれません。ただ、試行錯誤を繰り返しながらも見た目は手が止まってしまっているという情況は、こちらが開かれた状況をつくっていったら見極めることは意外と簡単にできます。

落合先生:結局佐野先生のような余裕をもたなくてはということですよね。わかります。しかし、そのようなファシリテーターとして達人の域に達するにはまだまだ時間がかかるかもしれません。しかも、このワークショップは複数の教師がかかわるので、全員の水準を高めることは、なかなか難しいのではないでしょうか。

本橋先生:たしかにそうですね。私もまだまだだし、それにここまで行ったから達人というわけでもなく、生徒一人ひとり想いや考えていることは違いますからね。

佐野先生:その通りです。そして、だからこそ複数の眼で見守るオープンマインドが大切ですよ。

落合先生:どうやってオープンマインドって立ち上がるのでしょう。沈黙に耐えられない状況って、要するにかたくなになっている自分がそこにいるのですよね。

本橋先生:私たちは、ワークショップの最中に、すぐにシェアすることにしています。自分がどうしてよいかわからなくなったら、生徒に今の状況を聞きます。ただ、そのとき一人の生徒に聞くと、その生徒がオープンな情況になっていればよいですが、そうでない場合は逆効果です。ですから、チームでちょっと振り返ってみてと、ほんの少しの時間ですが、リフレクションの時間をつくります。

佐野先生:その手法はいいですね。互いに開かれていく感覚は、共感的なコミュニケーションを生み出します。共感的なマインドが広がると、子どもたちは手が止まっていたら、仲間どうしで、どうしたと声を掛け合うようになります。今度は教師は子どもの沈黙に耐えられないのではなく、取りつく島がなくてちょっとさびしい感じにおそわれますね。

落合先生:結構孤独ですね。先生も仲間に入れてよと言いたくなりますよ(笑)。

本橋先生&佐野先生:それでよいと思います(笑)。そのときの先生は、もう教える教わるという関係の教師ではなくなっていますから、要はオープンなマインドが共有できているかどうかがポイントです。生徒の沈黙に耐えるのではなく、見守りながら共感的なコミュニケーションができる状況になっていれば、お互いに信頼関係を感じ合うことができるので、生徒もできたかどうかではなく、感じたことを話したり話しかけたりするようになります。

落合先生:「アクティブラーニング」という言葉の感覚は、どうも能動的に!積極的に!主体的に!と強い意味が伝わってくるけれど、はじめチョロチョロ中パッパというリズムかしら。

佐野先生:そうだと思います。実はアクティブラーニングは、出だしがとても重要だと思います。

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