順天 SGH 3つのワーク(3)
行ってみたい国ランキング1位は、すべてのチームが米国を選んだ。こんなにもアメリカナイズされているのかと面食ったが、まったくそうではなかった。西さんのワークショップは、そのような大人の先入観を心地よくも軽やかに崩していった。
行ってみたい国ランキング1位は、すべてのチームが米国を選んだ。こんなにもアメリカナイズされているのかと面食ったが、まったくそうではなかった。西さんのワークショップは、そのような大人の先入観を心地よくも軽やかに崩していった。
自分たちの家庭の食卓について多角的に話し合ったあと、写真が各チームに1枚ずつ配られた。模造紙の真ん中に写真をおいて、マインドマップよろしく、写真から気づいたことをどんどん書き込んでいく。気づいたことはなんでも否定せずに書いていく。
順天のSGH(スーパーグローバルハイスクール)クラスである≪GLAP(グローバルリーダーズ・アクションプロジェクト≫の活動はどんどん進化している。
同校は、SGHの研究課題として、ネットワーク、スクールワーク、フィールドワークという3つの活動(ワーク)を通して、グローバル社会で主体的に活躍する資質・人材育成を目標にしている。
今回、DEAR(開発教育協会)と協働して行っいるワークショップを取材。3つのワークが見事に反映していた。by 本間勇人:私立学校研究家
順天のSGHの≪GLAP≫ユニットの取材に訪れたとき、中2の父母の集いの授業参観も開催されていた。片倉副校長が、いわゆる授業ですが見学してみますかと誘われたので、二つ返事で授業を拝見した。そして驚いた。
土曜日は、SGHの≪GLAP≫ユニットだけではなく、全学年が、多様な学びの体験をしている。ある中学生のチームは、博報財団とコラボレーションして、海外の生徒に日本語を教えながら、原宿などを案内する準備をしていた。
今春、文科省の次期学習指導要領改訂のためのモデルになるSGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校に、順天学園が認定された。SGHは、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを育成するため、グローバルな社会課題を発見・解決できる人材や、グローバルなビジネスで活躍できる人材の育成に関する教育課程等の研究開発を行うプロジェクト校である。
順天はその指定校として、まずは高等学校1年のイングリッシュコースの生徒と希望者で編成した≪GLAP(グローバルリーダーズ・アクションプロジェクト≫というユニットで、SGHの研究開発を開始した。 by 本間勇人:私立学校研究家
授業の取材に訪れたとき、≪GLAP≫は、ちょうど「世界一大きな授業」のワークショップを行っていた。このプロジェクトは、3つのタイプの研究課題に取り組むことになっている。
ジャッジをシェアするⅡ
ジャッジをシェアするⅠ
最初に中学生のレシテーションコンテストを見学した。中1の生徒の発音の良さ、自然な抑揚、テンポがネイティブに近いのではないかと感心していると、国際部長の中原先生(数学)が、こう教えてくれた。
「ここ数年、レベルが上がってきて、ジャッジするのは相当難しくなっています。発音、そうrとlの違いも含めてですが、ともかく発音も相当トレーニングしてきます。抑揚やテンポもそうですね。だから、結局、音声やボディーランゲージでは差がつかないのです。」
するとどうするのかと尋ねると、とにかく教師側が議論して、ジャッジの視点を進化させていくしかないというのだ。つまり、レシテーションコンテストは、伝統的な行事ではあるが、評価というモノサシの精度は、生徒の努力と共に変容していくという、まさに不易流行であることがわかった。
平成26年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)申請校は、全国で246校。国公立は127校、私立は119校である。そして順天も悠久の歴史を持つ教育をさらに未来に向けて豊かにすべく、SGHの申請に挑戦した。
30ページにわたるSGH構想調書を完成できたということは、これまでの順天の教育の棚卸しができ、明日の教育の構想がまとまったということを意味する。教育のコンセプト、ビジョン、アクションの青写真ができたということなのである。
その全貌は、文科省の発表までしばらく待たねばならないが、レシテーションコンテストとスピーチコンテストにコンセプトを感じることができた。by 本間勇人:私立学校研究家
「グルコミ」で知性も人間性も成長するわけ
論理的にコミュニケーションする知性も人間関係を創り出すためにコミュニケーションする豊かな人間性も中高6年間、高校3年間で大きく成長するのには、理由があった。
「グルコミ」のプログラム設計に基準が織り込まれていたのである。