文化学園大学杉並 知性×感性のスパイラル(3)

全国でも珍しいなぎなた部が練習する道場を覗いてみた。

練習中の部員の一人がさっと案内に立ち、写真を見せて説明を始めてくれた。なぎなた部は、コシノジュンコ氏主催のファッションショーとのコラボをするなど、戦闘技術としてだけではなく、精神的な修養を目指しているのだ。ファッションショーが精神的な修養につながるというのは戸惑いを感じるかもしれないが、顧問の佐藤智尚先生によれば、こういうコラボを実際に行い、世界一流の人や企業に接すると共通するものに気づくのだという。それは「隙がない」ことだと。もちろんここで言う「隙」というのは、気の弛みとでもいう意味である。この隙のなさこそがなぎなたにおける修養、不如意を破ること(すなわち如意)に通じるという。

佐藤先生は、満面の笑みで楽しそうに説明を続ける。剣術における「理合」の考えや、文武両道の本来の意味についてなど。

お話を伺っているうちに、文杉の「グローバル」が日本的な伝統にしっかりと根ざしたものであることを確信した。世界から注目を集めるファッションリーダーのコシノジュンコにせよ、あるいは武士道の精神を英語で伝えた新渡戸稲造にせよ、グローバルな人材は、世界につながろうとする精神と日本的な感性を両立させている。

 

文化学園大学杉並で始まるダブルディプロマへの取り組みは、単に海外の基準を日本に持ち込むということにとどまらず、日本のスタンダードを世界に知らしめる大いなる挑戦にもなり得るのである。

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