トリガークエスチョンは、今年の東大の英語の入試問題で出題された絵を提示した。鏡に映っている自分と実際の自分の表情が違う絵である。富士見丘の先生方は、中1のアクティブラーニングでは、方向付けをできるだけしないように配慮している。それゆえ、まずは自由に気づいたことをポストイットにどんどん書き出すところからはじまった。
そして互いに見せ合い、自分とは違う気づきがあるのだと驚きつつ、シェアしていった。さあこの問題を考えなさいというトップダウンん型のアクティブラーニングではなく、まずは気づきをチームでシェアするボトムアップ型のアクティブラーニングを中1の最初の段階では行っていこうということだ。
そして、次の段階では、出し合ったポストイットをカテゴリーに分けて整理する話し合い。カテゴリー分けのインデックス(項目)は、自分たちで決めるというのだから、これもまたボトムアップ型である。
そして第3段階では、カテゴライズしたイメージをチームごとにプレゼンテーションしていく。ここではアカデミックスキルの比較関係と因果関係が自ずと活用され、チームごとに新たな問いの発見がでてくる。「不可解な自分をいかにして捉えることができるのか」という中1の学校生活の中で最も重要で奥の深い問いが生まれてくるのである。
最後は、ルーブリックによってセルフリフレクションして終わる。生徒たちはもちろん、大いに楽しんだのであるが、個々人にかえると、もっと創造的に考えたかったとか自分の意見ばかり言い過ぎたという冷静な振り返りも必要である。
40の項目に回答していくと、創造型コミュニケーション、論理型コミュニケーション、寛容型コミュいけーション、規律型コミュニケーションの4つの項目のバラツキ傾向が現れる。データ化される(詳細は非公開)ので、先生方はそれも参考にしつつ(データエビデンスの活用)、次回のプログラムを組むミーティングを幾度も重ねる。今回は理解・応用のプロセスまではなんとかいったが、自分たちで論理的に道筋を組み立てるところまではいけなかった。次回はその体験ができるようにプログラムを改善しようということになったようだ。
同じような反応が、生徒が回答したルーブリックの傾向にも現れていた。こうして富士見丘のアクティブラーニングは、プロトタイプしてはリファインしていくプロセスを先生方が創意工夫していくことによって、デザインされていくのである。