文化学園大学杉並 新しい女子校モデルのインパクト(2)

DDコースの存在や活動が他のコースや学校全体に対しては何か影響を及ぼすということはあったのでしょうか。
 
青井先生:
教員の意識が変わりましたね。DDコースを始める当初は、帰国生でもない普通の生徒が英で科目の学習をすること、しかも日本の教科学習をしながらそれを進めることは無理だと考える教員もいました。ところが、この数ヶ月で英語でのコミュニケーションに困難を感じなくなっている現実を見て、考え方が変わってきたようです。そして実際にDDコースの授業を見学したり、アクティブラーニングの研修を行ったりと良いところを積極的に取り入れようとし始めています。
 
DDコースの授業を見学すると、みな口を揃えて、生徒がよく発言することに驚くのです。当てられなくても自分の意見が言えるのは確かにDDコースの生徒の強くなった点で、そういう姿を見ると本当に頼もしいというか、世界で活躍できる人材に育ちつつあると実感します。その雰囲気が教員を通して他のコースにも広がっていくような好循環も生まれつつあります。
 
それと、少しDDコースから離れますが、今後は文化学園大学への注目も集まるのではないかなという気がしています。これまでもファッションに関心のある人が付属である本校に入学し、ファッションショーなどで高い評価を得ていましたが、大学の方はファッション部門で今世界大学ランキングの2位になっているのです。海外から学ぶばかりではなく、世界に発信するという意味でグローバルな大学と言えますし、人工知能には真似のできないクリエイティビティを発揮するアートの分野ですから、その存在意義は高いと思うのです。
 
確かに、様々な才能が活かされるという意味で、今までにない女子校のモデルですね。海外大学進学、グローバル市民教育、C1英語、アクティブラーニングと何でも揃っている感じですね。
 
青井先生:
英検で言えば、DDコースは1級、CEFRでのC1レベル、難関進学は準1級、英語コースは2級というのがしばらくの間の現実的な目標です。今後の社会での英語の必要性を考えると、教員も英語Nativeにどんどんシフトしていく方向で考えないと対応できないかなと感じています。
 
思考力テストに関しても10数名の教員によるプロジェクトチームを編成して取り組んでいます。アクティブラーニングや探究型の授業を進める上で、科目の枠を超えたテストは必須になりますから、力を入れていきたいと思います。先ほどお話したカナダ方式の評価を導入する計画も進んでいるので、授業のあり方はこれまでとは随分変わっていくことになると思います。
 
(インタビューを終えて)
インタビューにお邪魔したのは、新年明けたばかりの1月4日。世の中はまだお正月気分の最中でしたが、青井先生はすでに前日の3日から学校に来て、諸々の準備をしているとのことでした。勢いのある学校というのは、このような先生方に支えられているのだということを確認しました。
 
1時間半に及ぶインタビューでも、青井先生の表情が自信に満ちていて、ダブルディプロマコースに対する確かな手応えを感じていることが伝わってきました。文大杉並の教育内容が新しい女子校のモデルとなってこれから深化していくのは間違いなさそうです。
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