Created on 8月 3, 2017
順天は180年の伝統を有し、数多くの人材を輩出しながら信頼の実績を築いてきました。その一方で、21世紀型教育をいち早く取り入れ、新しい時代の学びを提供し続けています。そのような新しい学びを象徴する拠点となるべく、この8月には「理研館」が完成します。順天において、伝統と革新は対立するものではなく、弛まぬ革新の積み重ねが伝統につながるという不易流行の精神となって息づいているのです。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家
7月8日に行われた中学校説明会は、開会に先立って学校紹介ビデオが流れ、6年間の順天の学びが映像として映し出されました。教科学習としての系統学習、主体的な思考力を伸ばす探究学習、さらにア-トを中心とした統合学習と、それぞれの学びのスタイルが明確に示され、順天が探究をベースにした21世紀型教育を着実に深化させている様子が伺われます。
ビデオが終了すると、卒業生による学校生活の紹介が始まりました。大学生となった卒業生の姿を見ることは、受験生とその保護者にとって6年後の未来を見ることにつながります。どの保護者も真剣にプレゼンターの話に耳を傾けていました。卒業生が発表を終えるたびに大きな拍手が湧き起こったのは、順天というブランドに対する信頼が確立している証です。
卒業生が語る学校生活の思い出というのは、時間のフィルターを通過している分、行事そのもの以上に、体験から得た「自分にとっての意味」がよりくっきりと伝わってきます。現在は慶應義塾大学に在籍している卒業生の一人は、中3の平和学習の際に書いた自分の感想文を読み上げ、その感想文を書いた自分が現在の自分を形成していることに気づかされたと話していました。大学受験でも小論文を使ったという自分の強みが、実は順天で日々振り返りとして行ってきた「書く習慣」の延長線にあったことを再確認したというのです。
順天は、SGHとして「探究心を育み世界で活躍するリーダーを育成する」という教育目標を掲げてきました。順天のグローバル教育はSGHに指定される遥か以前、それこそ遡れば、建学の時に、西洋の算術を換骨奪胎し和算を洗練させた福田理軒以来ずっと、現代においても新たなグローバル社会を見据えた学びの支援を続けているのです。
その学びをより発展させるため、グローバルな探究学習とICTと結びつける空間「理軒館」という施設が今月完成します。さらに、来年度は「多面的入試」という、プレゼンテーションをパフォーマンス評価するという画期的な入試も導入することを発表しました。
理軒館の完成イメージ(順天の学校HPより)
これまでの伝統を活かしながら、着実に新しい時代に向けて歩を進めるところに、順天の安定した人気の秘密があるのです。