佼成学園女子 ヤングアメリカンズと才能発揮 (2)

歌うことによって、歌の才能に気づくことと支え合える自分に気づくという自己開示のあと、いよいよ演技の型を瞬間的に身につけるシーンに移った。歌という内側からこみあげる自己開示とはまた違い、全身で自己を表現していく。井上教頭(保健体育科)も率先して演技をする。しかし、この演技は、あまりにスピードがあって、ダンスに近い。

基礎を物語で身につける

海辺で様々なスポーツが行われているシーンを演技する練習。大波を演じる、ゴルフを演じる、綱引きを演じる、野球を演じる、短距離競走を演じる・・・。しかも、ソロで演技するタイプ、みんなで協力して演技するタイプがあり、YAがここに到るまでの間に、演技者を決めていく。しかし、それは演技が上手いとか下手とかという選択ではない。承認しあえる全体の関係を最適化することが目的なのだろう。1人のYAにたずねたところ、全員が「楽しい」と思える最高の状態を作り合うことがゴールですと。

YAといっしょに型を何度も全身で表現していく。そして息を合わせていく。うまくいった時点で必ず「完璧!」となぜかそこは日本語で承認していく。

全員で呼吸が一致し始めると、ソロの演技を交えていく。

ソロの演技も、みんなで合わせていく。まずはYAがやってみせる。しかし、ここでおもしろい仕掛けがある。ソロと全員が同期できる演技をするのである。ゴルフボールが弧を描いてどこに飛んでいくのか、いっしょに視線を動かしていく。もちろん、実際にボールは飛んでいないから、イマジネーションを使う。細かい配慮が1つひとつの演技に織り込まれていく。

みんなの前で支えられて歌えたように、ここでもみんなの前で演技ができるようになっている。すべてが次々に瞬間的にリンクしていくプログラム。左脳だけつかって考える論理的思考とは対極の右脳型のイマジネーションによる「いまここで」解決するスピード感がすごい。

YAはオーディションで選ばれた先鋭チームである。しかし、みなミュージカルやドラマの道に進むわけではない。研究者やビジネスマンや医者の道に進む若者もいる。米国の若者は、自分の多彩な才能を自己開示ししながら歩んでいく。佼成学園女子の生徒はそんな彼らと交流している。すでにこの段階で、この交流のすばらしさを実感しているが、3日間が終了した時、どれほどの価値がある交流だったかさらに理解を深めることになるだろう。

 

 

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