Created on October 15, 2014
午後に行われたドリル部のパフォーマンスは、30分前から校庭で大勢の人が待機していた。ありとあらゆるベランダには生徒たちがでてきていた。どうやら高校三年生のドリル部発表は、この文化祭の目玉のようだ。
ドリル部は、公式の大会等が他の運動競技に比べて少ないため、文化祭での発表で引退となる。その姿を見届けようと、誰もがドリル部に注目するのだ。部員の名前を書いた大きな紙など、応援グッズを持った生徒たちも見かけた程だ。
ドリル部のパフォーマンスは、そのメンバーを知っていたり普段の努力や練習を見ているわけでもない私の目にでさえ、感動的であった。メドレー形式の音楽と共に、メンバーを入れ替えたり衣装を変えたりしながら踊り続けるという内容で、体力的にも相当きついもののはずだが、誰ひとり笑顔を崩すのを見なかった。見ている人たちの中には涙を流している人も大勢いた。部員たちも、舞台が終わり整列してから、涙を流していた。
文化祭パンフレットに折り込まれていた「八雲学園新聞」では、ドリル部部長の「文化祭への想い」がつづられていた。「六年間私たちを見守って下さった方々へ感謝を込めたダンスを見て頂きたいです」とのことだ。そして、「後輩たちが創り出す新たなドリル部を、これからもどうぞよろしくお願い致します」。文化祭で最後の舞台を届けて引退するという伝統は、これからも引き継がれ、そして何度でも人々を感動させ続けるのだろう。