11月16日 22世紀型教育研究センターaxisWS 生徒が自らリフレクションの軸を創る(5)

3つ目のWSは、文大杉並の鈴木先生(社会科教諭・教科主任)がファシリテートしました。前回までは、リフレクションをするときに、ある程度フレームが決まったルーブリックで行ってきました。そこで、大いなるプロジェクトに挑戦するときに、思考コードやルーブリックを意識して取り組むのか、意識せずに取り組むのか、プロセスや成果に違いはでてくるのか?という問いから始まりました。
 
 
意識するとそこから創造的な取り組みに進むことができると考える場合とかえって縛られるからあえて意識しないと考える場合とがでてきました。それは思考コードやルーブリックの中身によって違うのか、その基準がそもそも縛る役割を果たすものなのか、対話は深まります。
結局、思考コードやルーブリックがあってもなくても、自分のやりたいことを成功に導きたいという想いは同じです。
 
そこで、鈴木先生は、前回の9つのマトリクスの横軸3つの軸、縦軸3つの軸を自分だったらどうするのか創ってみようということになりました。
 
わずか10分足らずでしたが、みな没入して一気呵成に作成しました。自分のやりたい思いをカタチにするために、9つのポイントを思い浮かべたのでしょう。しかも9つは関係性があり、構造的にできています。もちろん、この構造にするのがよいのかどうかは対話の続きが必要です。
 
 
しかし、一つの思考コードやルーブリックに従って学ぶのではなく、柔軟に自分で思考コードやルーブリックの軸をアップデートしていくことが自分たちはできるのだという確信を得るWSとなったことは間違いないでしょう。
 
鈴木先生は、公共も担当していますから、近代社会の再帰性(reflexivity)のメリットとデメリットに対する視点を持っています。複雑な社会変化の中で、改善し続ける近代社会は、安定感がなく不安も増幅しますが、固定的な基準に従属するのでは、何も変わりません。むしろ自分の才能を豊かにしていくためのreflexivityであるならば歓迎です。
 
学校現場におけるReflectionの中に、近代社会の矛盾を創り出す再帰性が含まれていることを考えながら、自分のやりたいことをいかにやっていくかを思いめぐらす善きリフレクションの軸づくりを経験するWSとなりました。
 
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