21世紀型教育機構シンポジウム 自己沈潜の向こうに広がる才能と世界

9月2日の21世紀型教育機構のシンポジウムでは、語学研修や海外研修旅行とは次元の違う「グローバル教育」について、静岡聖光学院の田代正樹先生(副教頭)と聖学院の伊藤豊先生(高等部長)がトークセッションを行います。もちろん、両校とも語学研修や海外研修も実施しています。しかし、本当にグローバル教育を行うというコトはいかにして可能かを、独自のグローバルな教育実践を通して、生徒がモチベーションを膨らませると同時に世界の痛みに打ちひしがれている姿に直面しながら、深い内省を続けているのです。

(静岡聖光学院 田代正樹先生)

お二人の話に耳を傾けると、わかりますが、生徒が成長するというコトは、偏差値を上げることだけでも、多くの賞を獲得することだけでもありません。もちろん、それは子供たちの懸命な取り組みの成果であり、成長の1つのカタチです。その努力の姿は、感動を与え、影響を与えるという意味で価値あることです。

しかし、お二人の語る生徒の成長は、彼らが生きている現時点で起きている現象や事象に限られているわけではないのです。ずっと以前からそしてこれからも、そう簡単に解決できない問題にぶつかるところから始まります。

そして、そのような岩盤に行き着いたとき、生徒は打ちひしがれ、恐怖におののき、途方に暮れます。そのときです。教師の愛情ある眼差しとこれでよいわけがない僕も手伝うよという友情の信頼の絆が、再び勇気と立ち臨む心を奮い立たせます。

(聖学院の伊藤豊先生)

ここには、生半ではない「壁」とそれをひとり「自己沈潜」する自分と共に乗り越えようとする友情に感謝する「謙虚さ」という3つの大切な要素があります。これは本物のエリートを形成する世界標準の要素です。

本物のエリートは、世界の痛みを引き受け、友情と情熱をエネルギーに、クリエイティブシンキングの才能を発揮し乗り越え突破するのです。人が切り拓いた道をさっそうと駆け抜けるのではなく、自ら未知なる世界を開き、道を創っていくのです。それには、タフな精神と仲間を大切にする心と柔軟な知恵を持たねば、できないでしょう。

しかし、予測不能な時代にあって、人が切り拓いた道を要領よく駆け抜ける功利主義的な価値観は通用しないかもしれません。一斉によってたかって、みんなで新しい道を切り拓く協働戦略しか生きる道は他にないかもしれません。

シンポジウム当日、お二人のトークセッションは、参加されている皆様と拡大トークセッションになるかもしれません。ぜひ得難き機会で、秋の実りを分かち合いましょう。

 

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