佼成女子 言葉の壁を越えるヤングアメリカンズ(2)
ショーの中の様々なシーンで、生徒ひとりにスポットライトが当たる場面がいくつもある。一曲のうちの数秒間をソロで歌うのだ。大勢の観客を前にした状態でスポットライトが自分にだけあたり、更にマイクを持って歌を歌わなければならないというのは、相当なプレッシャーになるはずである。しかし、そのようなシーンでも、生徒たちは笑顔で楽しんでいた。なぜそれができたのだろうか。
ショーの中の様々なシーンで、生徒ひとりにスポットライトが当たる場面がいくつもある。一曲のうちの数秒間をソロで歌うのだ。大勢の観客を前にした状態でスポットライトが自分にだけあたり、更にマイクを持って歌を歌わなければならないというのは、相当なプレッシャーになるはずである。しかし、そのようなシーンでも、生徒たちは笑顔で楽しんでいた。なぜそれができたのだろうか。
7月19日、佼成学園女子にて「ヤングアメリカンズ発表会」が開かれた。ヤングアメリカンズとは「若者の素晴らしさを音楽によって伝えよう」という思いから設立された非営利活動団体である。そのヤングアメリカンズが、佼成学園女子高校一年生の生徒たち約200人と一丸となって、1時間の歌と踊りのショーを披露した。キャストたちは佼成学園女子の生徒の自宅に三日間ホームステイし、ショーに向けてリハーサルを積んできたのだという。その成果を取材した。 by 松本実沙音 :東京大学文科2類
プログラム終了15分前、一気呵成に通しで海辺のスポーツの演技を行った。午前中から練習してきたパーツとソロが物語のシークエンスの中にパタパタ織り込まれていく。そのスピード感、躍動感。テンションは一気に高まった。
歌うことによって、歌の才能に気づくことと支え合える自分に気づくという自己開示のあと、いよいよ演技の型を瞬間的に身につけるシーンに移った。歌という内側からこみあげる自己開示とはまた違い、全身で自己を表現していく。井上教頭(保健体育科)も率先して演技をする。しかし、この演技は、あまりにスピードがあって、ダンスに近い。
1962年、若者の素晴らしさを音楽によって社会に伝えようと、ミルトン・C・アンダーソンによって設立された非営利活動団体がヤングアメリカンズ。音楽公演と教育の二本柱を活動コンセプトとしている。17〜25歳の若者たち、約300名で構成されていて、1人ひとりをYA(ヤングアメリカン)と呼んでいる。そのうち45名のYAが217名の高1生と交流。3日間でいわばミュージカルというパフォーマンスを創り上げる。
江川教頭から、オープンマインドがともに作品を創り上げる生徒たちの体験の一端を見るだけでも、ツールとしての英語で国際交流をする本当の意味がわかりますと言われていた。今回初日の後半のワークショップを見学する機会をいただいた。(by 本間勇人:私立学校研究家)