アサンプション国際小学校 魅力的PBL型授業へ

2018年1月5日(金)、アサンプション国際小学校は、2018年度の経営戦略と教育の質向上のための研修を行った。小学校の募集はすでに終わり、21世紀型教育改革2年目も多くの受験生が同校受験に挑戦した。アドミッションポリシーに賛同する家庭がどんどん増え続けているのである。

そこで、改革2 年目を迎えるにあたり、同校副理事長・学院長高橋博先生と理事・校長武井明比古先生は、さらに魅力的なPBL型授業を受験生・保護者そして在学生・保護者と<共感・共有>できるように全教員と一丸となって取り組むことを確認した。by 本間勇人 私立学校研究家

(高橋学院長は、生徒が日々学ぶことが楽しいと感じる魅力的なPBL型授業、創造的思考をフル回転し、感動という共感を得られるプレゼンテーションができる教育の重要性を提唱。生徒募集は、授業と学校生活という教育の質で成功させ続ける本質的な私立学校の経営論と教育論を語った。)

高橋学院長の新しい年を迎えるためのスピーチの後、PBL型授業についてのワークショップによる研修が行われた。静かに耳を傾け、内なる灯をともしたので、それを情熱の火として共に燃やし続けるために。

最初はまずやってみようという挑戦。「いいねGrowth Mindset」というアクティビティ。お互い目を見つめ合いながら、相互に受け入れることの大切さ身体感覚で共有する。互いに「いいね」と声をかけながら、最後は大きくジャンプする。

今回の研修には、武井校長先生も、フルに参加。天まで届くかのように、大きくジャンプした。小学校の教師は、校長であっても、いや校長だからこそなのかもしれにが、身体を使って学ぶ楽しさを子供と共有していくという姿のすばらしさを感じる一場面でもあった。

このアクティビティは、プレイフルラーニングの開発者上田信行教授による。3年前21世紀型教育改革のシンポジウムが大阪で開催されたが、それ以来、上田教授にはPBL型授業のアドバイスを頂いている。

そして、さっそくアサンプション国際のPBL型授業についてワークショップが行われた。今回はPBL型授業を「新しい評価をいかに作っていくのか」という切り口から検証していった。現状の学習指導要領から新学習指導要領に移行した時に、評価の観点や方法のどこが変わるのかを確認し、その変わる領域について、まだまだモデルが世の中に出回っていないため、自分たちで創っていこうというワークショップだった。

もっとも、私立小学校であるから、学習指導要領を参考にしながらも、独自のPBL型授業をデザインしていかなければならいないし、そのデザインは、建学の精神から派出した評価のフレームに沿うものでなければならない。

つまり、コンテンツベースの評価からコンテンツとスキルの両方をみる評価にシフトするわけだが、そのスキルベースの評価については、建学の精神に基づいた学習者像を支えるものでなければならないのである。したがって、スキルとは何かについては、アサンプション国際小学校独自のものを創発する以外にない。そして、その創意工夫をする教師の姿こそ、子供たちに大きな好影響を与える。

たしかに、学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」ということになっているが、現場で、きっちりクリティカルでクリエイティブな思考を育成するかどうかは、結局教員次第なのである。しかし、アサンプション国際は、そこまで生徒と取り組むというフレームが、建学の精神によってマインドセットされるから、全教員が共有して取り組む必要がある。

したがって、アサンプション国際をはじめ私立学校では、あえてこう表現しなければならない。一握りの心ある教員次第なのではなく、全教員次第なのだと。新しい年を迎える同校の研修は、覚悟を共有する研修でもあった。この気概が、最高善に基ずく教育をわが子に求める家庭に響かないはずがない。

 

 

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