PBL/STEAM オンラインワークショップを実施しました

21st CEOでは、7月19日(日)に会員校同士のコラボレーション企画として、PBL・STEAMのオンラインワークショップを実施しました。

教員チームによる前半のセッションでは、「Critical/Creative Thinking (C/C Thinking)を育てる授業デザイン」についての対話、生徒と教員の合同チームによる後半のセッションでは、「幸福度が高まる世界のデザイン」についての対話が行われました。

先生方は貴重な休日であるにも関わらず、ご自身の意思でこのイベントに参加してくださいました。皆さんカジュアルな服装で、中にはお子様がカメラの前に登場するアットホームぶり(?)が素敵でした。オンラインでのイベントの良いところの一つは、ふだんの自分のまま参加できるということかもしれません。私も次回からはデフォルトのバーチャル背景を外してみます♪

さて、そういうアットホームな雰囲気ですが、21世紀型教育機構の先生方の意識はやはり高いですね。PBLやSTEAMのイメージは、この数年間に年に3回から4回ほど実施されてきたシンポジウムやセミナー、ワークショップなどによってかなり共有されてきたと感じました。それぞれの学校で実践している授業例などを話しながら、すぐに教科の垣根を超えて学びの本質へと向かっていきます。私が参加していた分科会では、経験と理論をどう行き来するか、仮説と着地点の設定をどうするか(あるいはあえて設定しないのか)、多角的な視点はどこまで教師側が提示するのか(あるいは生徒が自ら発見するのを待つのか)、立場や役割のチェンジがどういう効果をもたらすか、デジタルツールを与えることが思わぬクリエイティビティを引き出すこともある、などといった対話が行われていました。

教科を超えていながら、実はそれぞれの教科での問題意識が反映されているので、地に足のついた対話になっているのです。PBLやSTEAMといったワードを単に概念的にとらえるのではなく、その言葉からどんな学びを子どもたちと経験できるのかという問題意識が強く感じられる分科会でした。

 

後半のワークショップでは、各グループに2名ずつの生徒が参加し、「幸福な世界のデザイン」についての対話・議論が行われました。ここにおいては、教員と生徒はまったく対等、これがオンラインの良いところです。私が参加したグループでも2名の女子生徒の個性や主張が輝き、未来は彼らの手にあることを強く感じました。しかし、それは「先に生まれた者」である「先生」たちも勇気づけられるトークだったに違いありません。少なくとも私は心を揺さぶられる体験をしました。デザインするには、デザインしようとする意志が必要、幸福をデザインするには、幸福を追求する心が必要だという当たり前のことに気づかされました。STEAMのAは、技術にココロを吹き込むことなのかもしれません。

 

このセッションをファシリテートした先生方も、印象的でした。総合司会の工学院田中歩先生は、全体セッションでトークをしながら、Wifiトラブルで会議室から抜けてしまった生徒をプライベートチャットでフォローするなど、デジタルツ-ルの達人ぶりを発揮、静岡聖光学院の田代先生と和洋九段の新井先生は、画面上に見える生徒たちの反応をみて、提示する資料をさりげなくコントロールするなど、驚きのファシリテーションでした。デジタルのよき使い手であることは、これからのファシリテーターの必須要件かもしれません。また、分科会のファシリテーターを急にお願いすることになった聖学院の伊藤豊先生にも感謝です。30分にも満たない共有会議で、イベント趣旨を完璧に理解していただきました。

 

事務局としては、これほど凄い先生方と生徒が結集する21世紀型教育機構の加盟校に改めて感謝と賞賛の意を表したいと思います。そして、この対話を受けて、8月23日に実施される予定のオンラインプレゼンテーションで生徒たちがどんな発表をするのか、楽しみにしています。

Tags: 
Twitter icon
Facebook icon