2020年度21CEO第1回オンライン定例会「学びの未来へ」(2)

基調講演に続いてのパートでは、3人のゲストから新規プロジェクトの提案がありました。 イギリスから参加してくれたのがAlex Dutson先生です。

  

Dutson先生は、『Thinking Experiments』の著者で、英語哲学授業の第一人者です。今回21世紀型教育機構のオンライン定例会に参加してもらったのは、本機構が推進してきた「C1英語」、「PBL」、「ICT」の3つの柱を貫くコンセプトとして「哲学」がこれからの機構の柱の一つになっていくからです。

これまで21世紀型教育機構は、アクレディテーションを通して加盟校のICT活用を促進してきました。今回の状況下で21世紀型教育機構の学校がいち早くオンライン学習に対応できたのは、生徒全員がタブレット端末やPCを持っていて、先生方がそれを有効活用できる準備ができていたからに他なりません。現状では、21世紀型教育機構の加盟校は、ICTやオンライン学習での優位性を保っていると言えるでしょう。しかし、技術の進歩には目を瞠るものがあります。ツール使用における優位性はいずれ近いうちにどこの学校でも行う「普通のこと」になっていくことでしょう。

では、ICTツールによって私たちが目的とするべきことは何か。それは予測不能の未来に指針を見出すことを可能にする「問う力」であり、他人と協働しながら知恵を生み出す「対話力」に他なりません。哲学授業はそのような力を育てます。Dutson先生が持っている英語哲学授業のノウハウは、英語思考力を駆使する帰国生だけでなく、創造的思考力を伸ばしたいすべての生徒、また、PBLを実践する先生方にも「問い」の仕掛けという観点から大きな示唆を与えてくれるものとなるはずです。

LAから参加してくれた久保山皓平氏は、UCLAの大学院に在学中のエンジニアです。久保山氏は、東大工学部時代の友人とエンジニアチームを作り、動画のユニークな検索システムを構築しています。これから次世代通信システムの5Gが普及すると、動画やオンラインによる授業の需要はますます増してきます。そのときに、21CEOが推進してきた思考コードや授業アクティビティに応じた動画データベースは先生方の大きな助けとなるというご提案をしていただきました。

Erin Batty先生は、21世紀型学習コミュニティ「GLICC(グリック)」のアドミニストレーターであり、海外大学進学・英語指導の先生でもあります。Batty先生からは、久保山先生のデータベースの基礎となるようなリサーチを行い、加盟校の先生方に情報提供していくという提案をいただきました。すでにインターネットの中にある学習コンテンツをカテゴリー分類し、21CEOのフォーラムに情報を蓄積していくという内容です。

三人のゲストからのご提案があった後、6つの分科会に分かれ、それぞれのテーマについて各校の先生方による議論・対話が行われました。

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