■ Can Do リスト風に
戸板の社会科の考える授業を、科全員でシェアするということ自体、実は他校ではなかなかないことである。今回の戸板の社会科の会議に立ち会って、開放的な対話が、いかに多角的な視点を共有でき、複眼思考ができるのか、実感できた。
そして、この会議自体の過程は、教師ばかりではなく、生徒の授業の過程にも転移しているのではないかと期待が高鳴った。そこで、次回は授業見学の機会を頂こうと思うが、会議はストックの棚卸で終わらなかった。
具体的な授業展開について、2チームで検討したわけだから、当然のごとくすぐに互いのチームの考えを披露しあった。そして、実に戸板の社会科の授業の考え方には、共通点があるということになった。
となれば、戸板スタンダードをつくり、その水準以上の違いこそ教師の個性ということになるではないかという話になった。そこで、戸板スタンダードを箇条書きに「Can Do リスト」風にまとめてみることになったのである。
今井先生と市川先生チームは次のようなリストをささっと書いた。
・正解を示すのではなく自ら導かせる
・コミュニケーションを利用して見つける
・自分の考えを周囲に知らせる
・人の意見をポジティブに聞く 否定しない
・みんなで考え、結論を出す
・世界の現象を身近に引きつけて考える。現在の枠組みに置き換える→普遍性への気づき
原田先生と豊田先生のチームも次のようにすらすら書いた。
・考える 発言する 参加する(させるは×)
・否定しない
・テーマ学習をする
☆生き方を考える
☆古典に触れる
☆現代を考える
・☆の項目の循環こそ普遍性
・グループ学習
両チームのリストを精査するのは、これからまた継続していく予定ということだが、何よりここで興味深いのは、戸板スタンダードは、普遍性に一致するところまで進化していくということなのである。グローバル教育の基礎の部分は世界標準の授業であるということなのである。進化する戸板の秘密に立ち会うことができた。