聖学院 PILとICT (了)
児浦良裕先生と本橋真紀子先生の数学 置き換え操作の構造
児浦先生は、高2の文系の生徒が選択している数学の授業を展開していた。二次関数と一次関数の関係から、二つの円の位置関係の学びに移行しているところだった。本橋先生は、高3で極限と三角関数の関係式について授業展開していた。
聖学院といえば、今やプロジェクト学習(PBL)の拠点。PBLは、SGH(スーパーグローバルハイスクール)やIB(国際バカロレア)、米国のチャータースクールなどで活用されているアクティブラーニング。大学でも今やっと広まりつつある。by本間勇人:私立学校研究家
(2014年6月8日、男子校フェアで聖学院は「思考力セミナー」を披露)
カリキュラムイノベーションチームはPBL型開発
知的なプログラムの開発をするときには、まずはビジョンを共有する。ただし、その段階でのビジョンは、ある程度の共有はするが、未規定性のままの仮説。試行錯誤の開発が進むにつれて細かいところは変わっていける柔軟な「アソビ」は残すということのようである。
工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)の校長平方邦行先生は、工学院の目差す21世紀型教育を実行するとは、授業改革をおいて他にないという信念を学内外の先生方、生徒、保護者にことあるごとに語る。
知識を伝え、記憶するだけの20世紀型教育から、知識そのものも吟味しながら、知識と知識を組み合わせたり、組み替えたりしながら、自ら発見した問題を解決していくIB型思考力はいかにして可能か。それは米国ハーバード大学やMITなどが先進的に開発してきたPILやPBLの授業の本質を踏まえた授業改革によって可能になると。
今年一年かけて工学院の先生方が、校長と共に一丸となって研究に取り組む。日本の教育が変わる瞬間をドキュメンタリー風に追跡取材していく。by 本間勇人:私立学校研究家