PBL

静岡聖光学院 未来を創るNew Power School(2)

静岡聖光学院の先生方は、教科を超えて同時多発的にアイデアを出し合い、一気呵成に実行に移していく。失敗は試行錯誤の糧である。そもそも学問は仮説、実験、検証、再挑戦が基本だ。このようなが学問ベースの教育を、創設者ピエール・ロバート神父は創った。

それゆえ、PBL型授業などは、当然と言えば当然で、時代の要請に応えるというより、時代が追いついてきたといったほうがよいだろう。しかし、だからといって、これでよいと変えない理由を並べることはない。学問も時と共に変化する。今や1人で研究室にこもって論文を書いていればよいという時代ではない。

静岡聖光学院 未来を創るNew Power School(1)

昨年、静岡聖光学院は、21世紀型教育機構に加盟したばかりですが、2年目にはいった今年、一気呵成に、あらゆる側面、領域で21世紀型教育を開発実施しています。毎年実施しているアクレディテーションスコア(本機構で実施している21世紀型教育の品質保証調査)は、前年対比113.3%で、大きく進化しています。

その進化ぶりは、New Power School出現というウネリとなって、静岡を日本を世界を席巻しそうな勢いです。今年の静岡聖光学院の活動を簡単に振り返りながら、New Power Schoolの出現の潮流とは何か考えていきましょう。「簡単に」といわざるを得ないのは、世界を席巻するぐらいですから、あまりにも情報量が膨大だからです。by 本間勇人 私立学校研究家

 

<静岡聖光学院のNew Power誕生を象徴しているシーンです。写真は、同校サイトから。キャプションにはこうあります。「この写真は聖光祭準備時に、生徒達があまりの綺麗さに思わず撮った写真を譲ってもらいました(加工は一切してないとのこと)。景色が美しく感じるというのは、心が美しさ・癒しを求めているということ。彼らの成長に欠かせないものが学校教育にもこの景色にも静岡には確かにあると感じております。」>

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(了)

§3 異文化で友だちを作ることの意味

国際会議も終盤に近づくにつれて、八雲生5人の目は全体を俯瞰できるようになってきたようだ。同じバラザのメンバーで、母国語が英語なのに、ほとんど主張しないメンバーもいるのに気づいた。自分たちは英語をこんなに学ばなくてはならない。もし英語が母国語だったら、言いたいことはいっぱいあるのにと思ったときもあると。
 
また、最初の2日間は、日本語ではなく英語が母国語だったらとどんなによかっただろうと何度も思ったけれど、内向的な生徒は、何も日本人に限らないということも見えてきた。"Bring Your Difference"というテーマは、文化としてのアイデンティティ以外にも、やはり個性としてのアイデンティティも外国の地でも感じられるようになってもきた。
 
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(2)

§2 多様性の意味 バラザミーティング以外のアクティビティで見えた

国際会議は、バラザミーティングが中心で進行していくのかと思ったが、アクティビティも多くて驚いたという。Christie Lakeというキャンプ場に行き、火おこし体験、カヌー、鳥小屋つくり、キャンプファイヤー等の野外体験をした。楽しい部分もあったが、本格的なスリリングな自然の中での体験は、冒険と言った方がよいものだったようだ。
 
ラウンドスクエアスクールは、IDEALSという6つのテーマを理念として共有している。それは、 International Understanding, Democracy, Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceである。
 
簡単に分けることはできないが、バラザミーティングが、International Understanding, Democracyの体現であり、山や海や湖畔での自然体験や奉仕活動などのアクティビティは、Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceの精神が内生的に成長する機会だと言えるかもしれない。
 
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(1)

今年10月、高校2年の八雲生5人は、ラウンドスクエアの国際会議に参加した。先輩は3年前から、国際会議に参加。今年で三代目になる。ドイツ、南アフリカと行われ、今年は、カナダのオタワにあるAshbury Collegeで開催された。
 
国際会議となると全世界からラウンドスクエア約1000名の学生が集まる。今年八雲学園は候補校から正式の加盟校として認定され、ラウンドスクエア代表のコンスタンティーン元ギリシア国王も出席された開会式で、グローバルメンバーとして紹介。ラウンドスクエア旗を手にした。
 
 

聖学院 最高の授業(了)

聖学院のPBL型授業の特徴は多様な要素、多角的な切り口で語ることができますが、なんといいても「マインドセット」と「信頼」がキーコンセプトなのかもしれません。マインドセットとは、毎時間の授業で行うのです。よく自己肯定感が高いとか低いとか話題になりますが、それはほとんど内面の状況の話で、成績が高いから自己肯定感が高いとか、内向的だから自己肯定感が低いというコトはありません。

ほとんどが、人と人との関係が開かれるか閉じられるかで、自己肯定感の高い低いが決まっていると思います。したがって、自己肯定感の高い低いは、一期一会ではないですが、人と出会う瞬間瞬間にあがるかさがるか激しいのです。特に思春期の時にはそうでしょう。一日の学園生活のなかで、毎時間の授業で出会う教師や仲間とのやりとりで、一喜一憂するものです。

ですから、聖学院では、毎時間の授業で、教師は互いに心を開示できるマインドセットをしていきます。

聖学院 最高の授業(3)

日野田先生の高2の社会の授業。はじめは、PIL(生徒同士の対話を活用しながら講義をしていく)手法。たとえば、国民総生産に関連する知識の整理をしつつ、成長の概念など、ものの見方考え方の基準に関するものについては、PIL手法で展開していきます。
 
基礎知識は教えるが、ものの見方考え方の基準については対話という機会を設定。また、講義や対話のトリガーは、図、グラフ、写真・・・など多様なドキュメントやデータを活用。講義、問応法、PILのコンビネーションは巧みで、これだけで50分授業が成立しても構わないぐらいです。
 
 

聖学院 最高の授業(2)

伊藤大輔先生の高2の英語の授業。この学年は、最後のセンター試験世代。それゆえ、ミニテストをまず返却して、スコアの分布などデータ分析をきちんとして、それぞれの生徒のポジショニングを明快にしていきます。受験に向けてのマインドセットがきっちりしているのです。
 
しかしながら、同校が推進している21世紀型教育の新たな改革の波は、最後のセンター試験世代にも及んでいました。グーグルクラスルームを活用して、反転学習が導入されていたのす。だから、きっちりデータベース戦術で知識のマネジメントができていたのは新鮮でした。
 
 

聖学院 最高の授業(1)

21世紀型教育機構は、グローバル教育3.0のステージに向かって、学内外のネットワークを広げ、グローバルイマージョンの環境を学校でつくっています。聖学院も、タイ研修という生徒が自己開示し、他者の痛みを感じ世界精神を自ら生み出す規格外の教育を実施しています。また、都市デザインや東京パラリンピック支援、はちみつをつくりその利益を寄付する起業プロジェクトなど、多様な実践的教育を行っています。

入試においては、生徒の才能に応じた多様な思考力入試を開発・実施し、NHKや静岡放送など多くのメディアでも取りあげられています。

しかし、他の学校と大きく違うのは、このような規格外の教育活動が、日々の授業と結びついているというコトです。ふだんの授業がPBL形式で進行するため、一時間一時間の授業が、生徒自身にとって特別で新鮮です。いつも自分にとって特別な時間が待っている最高の授業が聖学院では行われています。by 本間勇人 私立学校研究家

(聖学院は2カ月に1度くらいの割合で、有志の先生が集まって、授業デザインの勉強会を行っています。PBL型のワークショップ形式で進み、静岡聖光学院の先生方や東大の研究者も参加しています。仕掛け人は、21教育企画部長児浦先生。)

聖徳学園 グローバル × PBL × ICT

聖徳学園は「国際協力プロジェクト」という授業を高2生全員が年間を通じて行っています。グローバル教育センター長の山名和樹先生がJICA職員や大学の先生など外部の専門家と協力しながら育ててきた聖徳学園独自のPBLです。今年もその中間報告会があるというので見学してきました。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

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