グローバル教育3.0

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(2)

§2 多様性の意味 バラザミーティング以外のアクティビティで見えた

国際会議は、バラザミーティングが中心で進行していくのかと思ったが、アクティビティも多くて驚いたという。Christie Lakeというキャンプ場に行き、火おこし体験、カヌー、鳥小屋つくり、キャンプファイヤー等の野外体験をした。楽しい部分もあったが、本格的なスリリングな自然の中での体験は、冒険と言った方がよいものだったようだ。
 
ラウンドスクエアスクールは、IDEALSという6つのテーマを理念として共有している。それは、 International Understanding, Democracy, Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceである。
 
簡単に分けることはできないが、バラザミーティングが、International Understanding, Democracyの体現であり、山や海や湖畔での自然体験や奉仕活動などのアクティビティは、Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceの精神が内生的に成長する機会だと言えるかもしれない。
 
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(1)

今年10月、高校2年の八雲生5人は、ラウンドスクエアの国際会議に参加した。先輩は3年前から、国際会議に参加。今年で三代目になる。ドイツ、南アフリカと行われ、今年は、カナダのオタワにあるAshbury Collegeで開催された。
 
国際会議となると全世界からラウンドスクエア約1000名の学生が集まる。今年八雲学園は候補校から正式の加盟校として認定され、ラウンドスクエア代表のコンスタンティーン元ギリシア国王も出席された開会式で、グローバルメンバーとして紹介。ラウンドスクエア旗を手にした。
 
 

聖学院 最高の授業(了)

聖学院のPBL型授業の特徴は多様な要素、多角的な切り口で語ることができますが、なんといいても「マインドセット」と「信頼」がキーコンセプトなのかもしれません。マインドセットとは、毎時間の授業で行うのです。よく自己肯定感が高いとか低いとか話題になりますが、それはほとんど内面の状況の話で、成績が高いから自己肯定感が高いとか、内向的だから自己肯定感が低いというコトはありません。

ほとんどが、人と人との関係が開かれるか閉じられるかで、自己肯定感の高い低いが決まっていると思います。したがって、自己肯定感の高い低いは、一期一会ではないですが、人と出会う瞬間瞬間にあがるかさがるか激しいのです。特に思春期の時にはそうでしょう。一日の学園生活のなかで、毎時間の授業で出会う教師や仲間とのやりとりで、一喜一憂するものです。

ですから、聖学院では、毎時間の授業で、教師は互いに心を開示できるマインドセットをしていきます。

聖学院 最高の授業(3)

日野田先生の高2の社会の授業。はじめは、PIL(生徒同士の対話を活用しながら講義をしていく)手法。たとえば、国民総生産に関連する知識の整理をしつつ、成長の概念など、ものの見方考え方の基準に関するものについては、PIL手法で展開していきます。
 
基礎知識は教えるが、ものの見方考え方の基準については対話という機会を設定。また、講義や対話のトリガーは、図、グラフ、写真・・・など多様なドキュメントやデータを活用。講義、問応法、PILのコンビネーションは巧みで、これだけで50分授業が成立しても構わないぐらいです。
 
 

聖学院 最高の授業(2)

伊藤大輔先生の高2の英語の授業。この学年は、最後のセンター試験世代。それゆえ、ミニテストをまず返却して、スコアの分布などデータ分析をきちんとして、それぞれの生徒のポジショニングを明快にしていきます。受験に向けてのマインドセットがきっちりしているのです。
 
しかしながら、同校が推進している21世紀型教育の新たな改革の波は、最後のセンター試験世代にも及んでいました。グーグルクラスルームを活用して、反転学習が導入されていたのす。だから、きっちりデータベース戦術で知識のマネジメントができていたのは新鮮でした。
 
 

聖学院 最高の授業(1)

21世紀型教育機構は、グローバル教育3.0のステージに向かって、学内外のネットワークを広げ、グローバルイマージョンの環境を学校でつくっています。聖学院も、タイ研修という生徒が自己開示し、他者の痛みを感じ世界精神を自ら生み出す規格外の教育を実施しています。また、都市デザインや東京パラリンピック支援、はちみつをつくりその利益を寄付する起業プロジェクトなど、多様な実践的教育を行っています。

入試においては、生徒の才能に応じた多様な思考力入試を開発・実施し、NHKや静岡放送など多くのメディアでも取りあげられています。

しかし、他の学校と大きく違うのは、このような規格外の教育活動が、日々の授業と結びついているというコトです。ふだんの授業がPBL形式で進行するため、一時間一時間の授業が、生徒自身にとって特別で新鮮です。いつも自分にとって特別な時間が待っている最高の授業が聖学院では行われています。by 本間勇人 私立学校研究家

(聖学院は2カ月に1度くらいの割合で、有志の先生が集まって、授業デザインの勉強会を行っています。PBL型のワークショップ形式で進み、静岡聖光学院の先生方や東大の研究者も参加しています。仕掛け人は、21教育企画部長児浦先生。)

和洋九段女子の新機軸 STEAM型PBL

和洋九段女子中学校・和洋九段女子高等学校(以降「和洋九段女子」と表記)は、21世紀型教育本格実施2年目で、はやくも新機軸を構想することになりました。この新機軸の発見は、準備期間も入れて3年間のPBLへの挑戦の成果でもあると中込校長先生は語ります。

同校の大きな特徴は、中学1年から高校1年生まで、生徒1人1台タブレットを活用するPBL(Problem based Learning)型授業が、すべてのクラスで実施されていることです。2020年には、全学年がこの環境になります。このような環境を教師一丸となって取り組んできたことにより、新機軸は、PBLのトリガークエスチョンを変えるアイデアだけで、飛躍的な学びのパワーを生み出すことになります。

もっとも、このトリガークエスチョンのアップデートこそが新たな難関であることは間違いないのですが、先生方はある大きな覚悟をもってその難関に挑んでいきます。

by 本間勇人 私立学校研究家

工学院 創造的緊張感を持続する組織(2)

工学院は、「挑戦・創造・貢献」を理念としています。この根本には「自由」があります。自由が前提だからこそ「挑戦・創造・貢献」が可能なのです。エントランスホールには「真理は自由にす」というグローバル精神が刻印されているぐらいです。

「自由」。もちろん、「自律」と表裏一体ですから、個人主義とは違います。「貢献」という理念がそれを支えています。さて、この意味での「自由」が、授業の中にも反映されているために、正解が1つでない問いが中心となる創造型PBL授業ができるわけです。つまり、「真理が自由にす」という自由が文化遺伝子としてあったからこそ21世紀型教育にも踏み出せたのでしょう。

工学院 創造的緊張感を持続する組織(1)

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」と表記)は、八王子という私立中高一貫校志望者が23区に比べかなり少ないエリアにあります。もともと日本の私立中高一貫校に進学する割合は、全国の同年齢人口の7%。一般には公立中学と私立中学の選択を考える家庭は少ないのです。

一方東京の23区は、区によっては20%近く進学を考える層がいる私立中学受験王国です。ところが、八王子エリアはというと、同じ東京都にありながら、全国レベル。東京における私立学校の経営としては、極めて不利な困難を極める立地条件です。

それがゆえに、このエリアでサバイブするために、先生方はイノベーティブな教育活動を徹底しています。by 本間勇人 私立学校研究家

(中学の理科の授業、Fab Labも備えた図書館で創造型PBL授業。工学院のPBL授業のプロトタイプ。)

「第2回21stCEO静岡シンポジウム」(了)

パネルディスカッション 2020年大学入試問題を乗り越える思考力

続いて、「2020年大学入試問題を乗り越える思考力」と題し、静岡聖光学院の植田克彦先生、聖学院中高の児浦良裕先生と本橋真紀子先生とのパネルぢスカッションが行われました。コーディネーターはスタディエクステンションの鈴木裕之先生です。
 

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