グローバルな流れは、私立学校であれ、公立学校であれ、避けては通れない。したがって、その流れにどう対応していくかは、国政レベルでも、私立学校も協力すべきところはしていく。
しかし、グローバリゼーションには光も影もある。フラット化し、越境化していく反面、油断すると金太郎飴になる。私立学校は独自の建学の精神の想いがあるため、金太郎飴になるような動きには警戒しなければならない。子どもたちのために国政レベルで協力もするが、私学の想いを守るべき点もあることについて、中川先生は熱く語る。
中川先生:吉田連合会会長のお力もあって、また東京私立中高協会会長の近藤先生のお力もあって、政府や文科省と行政レベルや制度レベルの話に、私学の現場の教育の内容も加えるコミュニケーションができるようになってきたと思う。
しかし、政府や文科省は、まだまだ、教育の現場についてリサーチが足りない。足りないというより、公立と私立の現場の違い、ビジョンの違いというものが研究されていない。
というのも、研究は、国や文科省のメンバーが直接行うわけではなく、教育学者の研究の成果によることころが大きいが、教育学者の研究対象は、公立学校で、私立学校ではない。だから、私立学校の現場の様子が国や文科省に伝わらないのは当然なのである。
だから、一般財団日本私立中学高等学校連合会や日私教研が、きちんとコミュニケーションをとっていくことは、たしかに重要だと思う。
(中川先生のお話から、本間が作成。日私教研の役割の立ち位置。)
それをしないと、たとえば、昨今、初等中等教育の枠組みについて、小中一貫教育だとか、6・3制を4・3・2制や5・4制にするとかいう話題がニュースになっているが、教員免許はどうするのか?生徒が転校した場合どうなるのか?9年間人間関係が固定化するとどうなるのか?など十分な議論がされていない。現場は大混乱するだろう。改革と混乱は全く違う。
なんのための、誰のための改革なのか、そこは日本にいながら、私立学校は公立学校とは違う立ち位置から教育を見ることができるため、政府や官僚、そして企業も含めてコミュニケーションをとって、独創と共創をつくっていきたい。