9月19日・27日「21世紀型グローバル教育オンラインセミナー」が開催されました

9月19日(土)は、21世紀型グローバル教育オンラインセミナー(第1部)として主にグローバル教育というキーワードでセミナーを進行しました。また、英語哲学レッスンを同時開始し、小学生の部と中学生の部それぞれで21世紀型教育の授業を体験していただきました。

9月27日(日)は、21世紀型教育が今後の大学入試にどのようにつながっていくのかという点について、実際に学校現場でPBLを実践している加盟校の先生方に語っていただきました。PBLは単にグループでアクティビティを行うといったレベルの話ではありません。ドライビングクエスチョンを生徒自らに引き出させ、学びのエンジンを生徒に授けるという高度な指導者のスキルが必要となります。パネルディスカッションに参加した先生方は、そのような本質的な学びであるPBLの達人です。PBLの学びを通して生徒たちは、大学入試はもちろん、社会での課題に対処する力を育んでいるということが多くの事例とともに語られました。

世界の学校へ

21CEOの会長である吉田晋先生(富士見丘学園理事長校長)は、開会挨拶で力強くこう宣言されました。「世界に肩を並べる学校を目指す」― そこには、自由の伝統を継承してきた私学人の矜持と、21世紀型教育を切り開いてきた自負とが込められていました。Withコロナ時代における入試のあり方、また日本の教育行政の遅れなどについて、子どもたちの未来を守るという中高の立場から提言をされました。

PhilosophyとPBL&STEAM教育

工学院附属中高の校長平方先生からは、現代的リベラルアーツとしてのPhilosophy、自分の未来を自らデザインするPBL、そして科学技術を活かして今までにないものを創造する力を育むSTEAM教育について話をされました。特に平方先生が強調されたのは、それらのベースとなる英語力です。高校卒業時にCEFRのC1レベルに到達することを目指すのは、これからの社会で生きていく上で必然であることが強調されました。

グローバル教育、PBLと大学入試

ディスカッションは、7人のパネリストによる対話が行われました。

19日は、児浦良裕先生(聖学院)、田中歩先生(工学院)、新井誠司先生(和洋九段女子)、田代正樹先生(静岡聖光)、窪田淳先生(文化学園大杉並)、佐藤一成先生(富士見丘)、近藤隆平先生(八雲)の7名によるディスカッション、27日は、佐藤先生と近藤先生のご都合が合わず、代わりに白鶯訓彦先生(富士見丘)と高谷哲司先生(順天)のお二方が対話に加わりました。

各校のグローバル教育やPBLなどの取り組み紹介は、5分ほどのプレゼンの時間ではほとんど言い尽くせないほど多岐に渡り、またいずれもよく練られたものでした。各校の教育の成果が国内の大学進学はもとより、海外大学進学において特に顕著であるのは、PBLで育まれた学びの成果だと言えるでしょう。

例えば聖学院の今年の卒業生は、ペンシルバニア大(13位)やトロント大(18位)、ワシントン大(29位)などへの合格を果たしました。ちなみに上の図で赤く囲いがある大学は、21世紀型教育機構の加盟校からこの3年間で合格している大学です)。

日本の大学は、東京大学が36位で京都大学が65位、200位以内に入っているのはこの2大学だけです。偏差値的序列をめぐって競争することがいかにガラパゴス的な生態であるかが分かります。なにも21世紀型教育機構では世界ランキングの上位に入ることを目指す指導をしているわけではありませんが、C1英語を身につけ、PBLで学びのエンジンを手に入れた生徒は、日本の規定のレールに乗らずとも生きていく力を手にするのです。

生徒の好奇心に火をつけ、それを継続的にケアしながら、さらに大きく燃え上がらせるのは、毎日生徒と顔を突き合わせて対話をする熟達した教師の力によるものです。そしてそういう教師が思いきりPBL型授業ができる学校というのは、校長がリーダーシップを発揮し、理事や保護者といったステークホルダーを含めてその環境を創り出すことが必須です。

そのような意味で、PBLが学校全体に浸透しているかどうかというのは、真正の21世紀型教育を実践している学校を見抜くための試金石とも言えるわけです。21CEOでは、PBLをどのように行うのが効果的なのか、あるいはPBLの目的ということについて、これまで様々な対話を続けてきました。

オンラインセミナー終了後の振り返りでは、真正PBLがより明快に伝わるような企画も持ち上がりました。近日中にこの場でもお知らせできると思います。

 

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