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戸板の授業 反転授業×PIL×ジグソー法

戸板中学校・戸板女子高等学校(以降「戸板」)は来春からシラバス及びカリキュラムを変えていく。高校からスーパーイングリッシュコースとスーパーサイエンスコースを開設。しかし、根本的には授業のパラダイムを20世紀型から21世紀型にシフトするところから徹底する。

グローバル教育、イノベーション教育のベースはリベラルアーツ。リベラルアーツの拠点は、対話やディスカッションという他者と言葉を交わす授業。課題解決のコラボレーションをしながら理解を深め、学ぶ意欲を高めて勇ましい高尚なる精神を育成していく。まずは歴史を通して世界を考察する社会科が21世紀型授業に着手した。市川先生(日本史)の挑戦を紹介したい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

戸板の理科教育が進化 女性科学者を生む授業(3)

ペンタゴンモデルは、しかし一巡して閉じてしまうわけではないという魅力的な議論に発展していった。しかも、そのループへの階梯の上昇は、はじめから生徒自らでできるわけでもない、やはり細かいトリガークエスチョンをなげかける教師の役割がカギになるという議論にもなった。

戸板の理科教育が進化 女性科学者を生む授業(2)

スーパーサイエンスコースのねらいは、佐藤充恵先生によると「未来の研究者を育てることです。日本ではまだまだ女性の社会進出、とくに科学者の進路をたどる比率は少ないですから、それではグローバル教育とはいえないですよ。その点戸板は女子校ですから、女性の研究者の礎を築くことができると思います」。

佐藤先生ご自身、産休中であるにもかかわらず、息子さんを連れて、会議に臨んでいた。佐藤先生の心意気に頭が下がると同時に、女性にとって心地よい職場を形成している戸板の経営の先進性に、女子教育の真骨頂を感じ入った。

戸板の理科教育が進化 女性科学者を生む授業(1)

戸板中学校戸板女子高等学校(以降戸板)は、2014年に、高校でスーパーサイエンスコースを開設する。そのために理科の先生方は、コンセプトデザイン、科学的発想を生み出す授業デザイン、実験とICTを結合した新しい理科のシラバスの開発など議論している。さらに、ロールモデルもつくり、試行錯誤の準備に余念がない。その画期的理科教育のイノベーションの一端をご紹介しよう。(by 本間勇人:私立学校研究家)

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(3)

■ Can Do リスト風に

戸板の社会科の考える授業を、科全員でシェアするということ自体、実は他校ではなかなかないことである。今回の戸板の社会科の会議に立ち会って、開放的な対話が、いかに多角的な視点を共有でき、複眼思考ができるのか、実感できた。

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(2)

■ストックの棚卸

知識の量を調整して、思考の時間も挿入するという授業計画から、知識を学ぶことが同時に思考力も育成する授業のプログラムへというミッションをいかに具体化するか。このミッションはどこからか、新しく降ってきたのではなく、もともと戸板の社会科の暗黙知としてあったものである。それを社会科内で言語化したわけである。

したがって、自分たちが普段行っている授業の資源を汲みだして、言い換えれば、ストックされていたものを棚卸して、整理することになった。これは整理作業なので、会議の効率を上げるために、2人ずつ話し合うピアインストラクションのステージに進んだ。

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(1)

平成26年度から戸板中学校戸板女子高等学校(以降戸板)は、大きく進化する。その準備を今年開始したと聞き及んだ。そこで、入試広報部部長の今井誠先生に、どのように進化するのか、そのための準備とはどういうことを行っているのか尋ねた。すると、ちょうど社会科の会議で、その戦略を話し合っているので、立ち会ってはどうかと取材の提案を受けた。その自信とやる気に満ちた笑顔に、二つ返事で会議を見学させていただくことにした。会議の模様をお伝えしたい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

※左から今井誠先生(入試広報部部長)、市川恵也先生(生徒指導部部長)、原田啓志先生(進路・学習指導部)、豊田良知先生(教務部部長)

戸板の入試改革「思考力問題」(1)

 戸板は、来年高校1年からスーパーサイエンスコース、スーパーイングリッシュコースがスタートする。しかし、この進化は、一部のコースではなく、このコースを取り巻く教育活動全てが変わるシラバスイノベーションの一環として行われる。

したがって、「入試問題→教育活動→進路」すべてが大きく変わる。今回は入試改革の1つである「思考力問題」のビジョンについて聞いた。 by 本間勇人:私立学校研究家

左から、大橋清貫先生(教育監修理事)、長谷川操先生(国語科)、岡昭子先生(数学科)、川口亮先生(理科)、原田啓志先生(社会科 進路・学習指導部)、斎藤敏子先生(英語科)、今井誠先生(社会科 入試広報部部長)

八雲学園 イエール大学との音楽交流 動画視聴できます

八雲学園は毎年6月初旬に、イエール大学のアカペラグループ「Whim 'n Rhythm」との国際音楽交流を行っています。この交流は11年前に始まり、八雲学園の教育に大きな影響を与えてきました。生徒たちはこの交流のために1年間かけて準備をし、ワクワクしながら多様な活動に取り組んでいます。
 
この11年間で、八雲学園はラウンドスクエアへの加盟、共学校への移行、海外大学への大量合格など、グローバルリーダーを育成する教育力を強化してきました。2024年度の交流には、オーストラリアとヨルダンのラウンドスクエア加盟校からの4人の留学生も参加し、さらに国際色豊かな交流となりました。
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(了)

§3 異文化で友だちを作ることの意味

国際会議も終盤に近づくにつれて、八雲生5人の目は全体を俯瞰できるようになってきたようだ。同じバラザのメンバーで、母国語が英語なのに、ほとんど主張しないメンバーもいるのに気づいた。自分たちは英語をこんなに学ばなくてはならない。もし英語が母国語だったら、言いたいことはいっぱいあるのにと思ったときもあると。
 
また、最初の2日間は、日本語ではなく英語が母国語だったらとどんなによかっただろうと何度も思ったけれど、内向的な生徒は、何も日本人に限らないということも見えてきた。"Bring Your Difference"というテーマは、文化としてのアイデンティティ以外にも、やはり個性としてのアイデンティティも外国の地でも感じられるようになってもきた。
 
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(2)

§2 多様性の意味 バラザミーティング以外のアクティビティで見えた

国際会議は、バラザミーティングが中心で進行していくのかと思ったが、アクティビティも多くて驚いたという。Christie Lakeというキャンプ場に行き、火おこし体験、カヌー、鳥小屋つくり、キャンプファイヤー等の野外体験をした。楽しい部分もあったが、本格的なスリリングな自然の中での体験は、冒険と言った方がよいものだったようだ。
 
ラウンドスクエアスクールは、IDEALSという6つのテーマを理念として共有している。それは、 International Understanding, Democracy, Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceである。
 
簡単に分けることはできないが、バラザミーティングが、International Understanding, Democracyの体現であり、山や海や湖畔での自然体験や奉仕活動などのアクティビティは、Environmental Stewardship, Adventure, Leadership and Serviceの精神が内生的に成長する機会だと言えるかもしれない。
 
 

八雲学園 ラウンドスクエアなグローバル教育(1)

今年10月、高校2年の八雲生5人は、ラウンドスクエアの国際会議に参加した。先輩は3年前から、国際会議に参加。今年で三代目になる。ドイツ、南アフリカと行われ、今年は、カナダのオタワにあるAshbury Collegeで開催された。
 
国際会議となると全世界からラウンドスクエア約1000名の学生が集まる。今年八雲学園は候補校から正式の加盟校として認定され、ラウンドスクエア代表のコンスタンティーン元ギリシア国王も出席された開会式で、グローバルメンバーとして紹介。ラウンドスクエア旗を手にした。
 
 

八雲学園 グローバルアスリート 奥山理々嘉さんの活躍

「第18回アジア競技大会」バスケットボール競技初の3×3で、決勝まで進んだ女子は銀メダルに輝きました。その女子日本代表メンバーの1人に奥山理々嘉 (八雲学園高校3年)選手がいたのです。金メダルの頂点にたった女子中国代表は、今年4月に行われたFIBA 3×3 アジアカップで準優勝、その後のFIBA 3×3 ワールドカップでも世界4位になったメンバーを擁する強豪。

対する女子日本代表は大会前に3日間の合宿しかできなかったようです。また、試合直前に馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)を5人制から借りる形で、実際に4人でプレーしたのは予選ラウンド開幕戦のときだったということです。ぶっつけ本番に近かったでしょう。にもかかわらず銀メダルを獲得できたのです。

八雲学園のスーパービジョン

予測不能な時代がやってきたと昨今喧しいが、正解が1つでない不確実な時代の到来という意味では予測ができているとポジティブに考えるのが八雲学園である。
 
したがって、同学園のミッションは、そのような予測不能で不確実な時代にあっても、八雲生が、時代に翻弄されないタフな心身を身につけ、ポジティブな世界を創る精神を身につけ、世界の痛みを共有できる感性を身につけて羽ばたいていけるトータルな21世紀型教育を実践することである。 by 本間勇人 私立学校研究家
 
 

八雲学園 共学化とラウンドスクエアで進化加速(2)

八雲学園は、ついにグローバル教育3.0に突入した。海外修学旅行、年に数度の交換留学などはグローバル教育1.0の段階で、1989年ベリリンの壁崩壊後広まった。英語力はA2(CEFR基準)で十分だった。21世紀に入って、2014年くらいまでは、さらに現地校の長期留学や多くの生徒の3か月留学などが加わった。グローバル2.0のステージである。英語力はB1くらいで十分だった。

そして2015年から今に至るまで、さらに海外大学進学の道が多くの学校で見られるようになった。グローバル高大接続準備教育が着々と進んだ。IBやBC州のプログラム、およびそのエッセンスは共有するも独自の21世紀型教育が登場した。

そして、ラウンドスクエアのような世界の私立学校200校強とのネットワークをつないでいるグローバルコミュニティとの連携が誕生した。この段階が、まさに八雲学園がララウンドスクエアと連携したようにグローバル3.0のステージなのである。英語力はC1を要求される段階でもある。

ラウンドスクエアについては、本サイトでも何度か取り上げているので、そちらを参照していただきたい。→「八雲学園 グローバル教育3.0に転換」

八雲学園 共学化とラウンドスクエアで進化加速(1)

八雲学園の教育の進化が加速している。今春共学化し、ラウンドスクエア加盟校として動きが本格化しているのである。共学校になったこととラウンドスクエアに加盟したことが相乗効果を生み出し、多様性の次元が他に追随を許さない豊かさを生み出すことになった。by 本間勇人 私立学校研究家

八雲学園 グローバル教育3.0に転換

2018年4月から、八雲学園は共学校になる。生徒の未来は、2018年問題としての少子高齢化の影響、2020年の大学入試改革の影響、2030年の第4次産業革命本格化の影響などを受ける。時代の大きな変化を読み解き、八雲学園は大きなチャンレジをすることにした。

それが、Round Square(ラウンドスクエア:以降「RS」と表記)加盟校になるという決断である。3年前からRS候補校として、加盟の準備をしてきて、2017年正式に加盟校として認定されたのである。RSは世界40カ国の私立学校が高い理想のために、教科書とキャンパス内だけの教育から世界に飛び出る体験を大切にする教育を目指すことを心1つにする共同体である。

現在、グローバル社会は、光と影の相克の様相を呈し矛盾がさく裂している。生徒の未来は、もっと魅力的で多様性に寛容なグローバル世界として組み立てていかねばならない。そして、それを創っていくのはいまここにいる生徒たちだ。彼らが真のグローバル世界をつくるリーダーに成長する本物教育を実践する世界の私立が校が結集したのがRSだ。

進学とか大学入試問題といった意識とは全く違う広く高い問題意識を共有するグローバル教育を行っていく覚悟の一環として共学校に転換することを決めた。by 本間勇人 私立学校研究家

(左から高等部長菅原先生、2人の高3生、理事長校長近藤先生、2人の高2生、国際教育顧問・ラウンドスクエア名誉会員榑松先生)

八雲学園 イエール大学と感動のリベラルアーツ連携<了>

声楽部から始まった音楽による<empathy>は、glee部、軽音楽部、吹奏楽部へと進むにつれて、拡大しダイナミックに展開していった。八雲学園の豊かな音楽活動に改めて感動したが、イエール大学のWhimメンバーのジャンルを超えた音楽性に、あらゆることに好奇心を抱き、領域横断的に<empathy>を響かせる何か強靭な精神性を感じないわけにはいかなかった。

(軽音楽部とロックンロールで弾けた。)

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