富士見丘 日本の教育を変える知の沸騰(3)

「グローバル講座」はTOK(Theory of Knowledge)のレベルも見据えた進路選択の基盤を作る

富士見丘の英語教育は、教育界で評価が高い。生徒は、中学2 年が終わるまでに中学3 年レベルの英語語彙力がつく。その語彙力を活かして中学3年・高1 の2年間で辞書を使わずに英文を読む習慣が身につく“Extensive Reading(多読)”の環境もある。

またこの2 年間で英語コミュニケーション能力を伸ばし、高1 終了時までにネイティブがゆっくり話す英語をほぼ聞き取れるレベルに到達する学習をする。

この段階で“Toeic Bridge”のハイスコアを獲て、留学する生徒もいる。

日本の大学入試を突破できる英語力をつけられるよう授業はデザインされ、さらに、海外大学入学を目指す生徒には、海外大学進学後にも役立つ英語力を養成する“Academic English”も用意している。

イギリスおよび連邦系諸国の大学の場合は、IELTSのハイスコアが必要であり、米国の場合はTOEFLのハイスコアが必要になるが、その準備ができる授業だ。

ここまでの環境があれば、英語教育としては十分すぎる。しかし、サタデープログラム「グローバル講座」をプロデュースしている遠藤先生は、静かな情熱をこめて、こう語る。

遠藤先生:英語を楽しみながら話すきかっけにするにとどめない講座を心がけています。講座を通して、文化の違いや価値観の違いに気づき、英語に対する好奇心から、言語への興味と関心を抱くところまで目標にしています。

たとえば、Cooking in Englishでは、生徒は、英会話と料理を楽しみながら、英語圏の文化と日本の文化の違いなどに気づきます。

「混ぜ合わせる」という日本語に対応する英語は、二つあります。ボウルで具材を混ぜ合わせるのは「mix」、コーヒーをかき混ぜるのは「stir」と言います。つまり、固形物を混ぜ合わせる(「mix」)時と液体などをかき混ぜる(「stir」)時とでは表現が異なるのですが、料理という行為に、いや料理という行為だからこそ、具体的な言語や文化の違いを実感できます。

このようなところに、興味と関心を抱き、なぜ違いがあるのか、さらに英語で考えていくような講座を用意したいと思っているのです。「英語でスポーツ」なども身体感覚と言語の関係など日本語だと当たり前になっていることに気づき始めるかもしれません。

そして「英語スピーチコンテスト」のように英語科と国語科のコラボ講座もあります。スピーチの仕方やライティングの方法を探求するのですが、これは“Philosophy in English ”の講座にも結びつくでしょう。

ここまでくれば、今話題になっているIB(国際バカロレア)のディプロマの中のTOK(Theory of Knowledge)のレベルのグローバル講座になると確信しています。

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