佼成学園女子 江川教頭語る 21世紀型教育の根本(2)

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21世紀型教育は生徒の成長の原理を見抜く教育

――生徒とのコミュニケーションを通して顕在化する成長の原理、学力伸長の原理とはいったいどのようなものなのですか?

江川先生:それが佼成学園女子の教育の奥義でもありますね。授業の中で、何気ない対話から、Global Issuesのような深い問いかけまで、生徒にとって重要でないコミュニケーションは一つもありません。どのレベルでも、基本は、“I think・・・because・・・.”のコミュニケーションの連続です。英語の授業だけではなく、他教科の授業でもそうですね。

それから、体育祭、文化祭、合唱祭を運営する時も、生徒はチームの中でそのコミュニケーションを使っていきます。あらゆることは、表面的ではなく、深堀されていきます。もちろん、一人の力ではどうにもならないわけです。そこに自然とリーダーとフォロワーという協調関係が生まれます。

そして、葛藤もありますよね。ますますなぜだろう?どうしたら解決できるだろうと考えます。また、リーダーとフォロワーの役割は、行事や部活によって違います。特に3つの行事は、中学から高校1年の間に11回経験します。そして留学に旅立ちます。

――学校での行事と留学とで何かが違うということですか。

江川先生:その通りです。学校における行事の体験での成長があって、それが留学の足場になります。学内の行事では、いろいろ葛藤があっても、ほぼ同じ価値観・文化意識が土台ですから、甘えもあるのですよ。どこかで分かり合えるという。

ところが留学先では、そんな甘えは通用しないわけです。そんなとき日本で葛藤し合っていた仲間が協力し合うこともあるし、異文化で協力し合うにはなるほどグローバルスタンダードをシェアしなければならないことに気づくわけです。

自分はそんなに自己中心的でないと思っていても、留学先でやはり自分のことしか考えていなかったということを思い知り、他者と協力できる自分、他者と世界の痛みをシェアできる自分に驚いて帰国するわけです。英語がなぜ重要であるか、その新しい自分が生きるステージで必要だからで、大学入試のためだけではないことを身に染みてわかって帰国してきます。

だから、入学する時は難しくないけれど、卒業するそきは伸び率が高い学校だとお褒めをいただくのですが、残念ながらこの成長の原理、学力伸長の原理まで理解してくださる方は少ないかもしれません。

I think・・・because・・・.という直線的思考様式は、留学によって、パラドクスを発見する複合的な思考に変容します。それはたんなる比較して整理するということではないですよ。ジレンマを抱えますからね。なんとか解かねば気が済まないのです。これが本当のモチベーションですよ。心の中から本当に解決する問題や到達したい目標が生まれてくるのです。だから、そのためにどういう大学に進まなければないかとなる。

そうすると、一般的に言われる難関大学に挑戦せざるを得なくなるわけです。だから、実績も伸びるわけです。

この積み上げは、生徒の成長や学びをサポートする環境のクオリティを豊かにしてきたし、なんといっても世界の重鎮がエールを贈ってくれることに生徒は本当に勇気と自信と何より使命感を抱くようになりました。留学先のニュージーランドのジョン・キー首相夫妻が、お忍びで本校を訪問してくださったときは驚天動地でしたよ。そして、国際的な「使命感」を刻んだ会見になりました。

もともと学祖庭野日敬先生は、宇宙の真実を一人一人の生徒に見出し、それは宗教を超えて真理は真理であるという絆に広め深められると思っていましたから、その遺伝子は私たちも生徒も受け継いでいます。生徒の成長の原理は、そのビジョンを土台にしていると言えるかもしれません。

この考えは、国連をはじめとする国際問題を解決しようというグローバル機関に通じる「使命感」でもあります。ですから、留学から帰ってきた生徒が、国内の国際教養系の大学だけではなく、ストレートに海外の大学を目指すようになってきたのです。ロンドン大学や米国の大学の進学者がやがてたくさん出てくると思います。

 

 

 

 

 

 

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