アサンプション国際中高 PBLの原理に迫る

アサンプション国際中高のPBL型授業への取り組みは、日々進化/深化している。未来プロジェクトチームの先生方は、授業のリサーチを開始している。授業を実施しながら、要所要所で動画を撮影し、それを自分でモニタリングして、それをミーティングでシェアしていく。その過程で、プログラムデザインの意味や生徒の反応を議論し、さらにPBLの究極の原理であるコペルニクス的転回をどこに挿入するか創発対話を行っていく。by 本間勇人 私立学校研究家

数学の三歩一先生は、実際にドーナツを持参し、解体してトーラス図形の体積を生徒といっしょに考える。どうやって体積を出すか生徒の議論は創発的。中学の単元が高校の積分につながっていくように仕組まれている。

コペルニクス的転回とは、カントやトマス・クーン、あるいはニュートンのプリンキピアにあるような知的かつ感性的驚愕構造。究極のPBL原理で、この原理からAとBの多様な関係態が広がっていく。プロジェクトチームでは、この関係態を今のところ5つ発見している(企業秘密^^)。

紅谷先生は、高3の授業で、平塚雷鳥の論考を読解していたかと思ったら、おもむろにジェンダー指数のデータ集を取り出し、チームでディスカッションにシフト。平塚雷鳥のコンテンツにこだわり続けるのではなく、創発を生み出すすPBL原理の思考スキルを活用する学びに転換。

平塚雷鳥の発想が、まだまだ生きていることに逆に気づく。思考とはズレであり、表現とはそれを発見した時のサプライズをインパクトある表現と化する。わかりやすいとは、易しく表現することではない。衝撃を共感できるかどうかがカギ。

廣田先生の英語の授業は、悩める思考実験の問題でも、軽やかにスルー出来る教科書でも、驚きが生まれる仕掛けを埋め込んでいる。難しがろうか易しがろうか、立ち止まる瞬間を大切にしている。そこに学びの真実が宿っていることを生徒が実感する授業。

篠原先生の英語の授業は、とにかくインパクトがある。特にスキットとして英語でプレゼンするシーンは、感動的。発音、イントネーション、静音の効果、ジェスチャー、ニュアンスなど、言葉が、今ここでそこに呼び覚まし、映し出すシーンは、臨場感がある。感情教育にもつながるPBL型授業。

PBL型授業は、生徒の多様な能力や才能を引き出す空間であるが、その空間が広がったとき、そこにようやく人生の真実が灯る

PBLの原理、まだまだあと5つくらい見つかるだろう。でも当面、それはアサンプション国際の奥義となる。

 

 

 

 

 

 

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