富士見丘 魅力的なグローバル教育(了)

イギリス風パロディー模擬店“Miss Donut”で笑顔でおもてなしをしていた富士見丘生の中には、午後から大きな豹変ぶりを見せた生徒もいたのです。その人数はかなり多く、マルチロールプレイができる少人数学校の効果的な教育の一側面を垣間見ることができました。

それは、模擬国連部の活動でした。模擬国連での提案、交渉、リーダーシップの一連のやりとりは、数日かかるタフな活動です。富士見丘の模擬国連部は、学内でも大人気の部活で、様々な賞を取るなど実績も積み上げています。

文化祭では、20分間で、その模擬国連での部員の活動をシミュレーションして披露したのです。かけつけた参加者は予定以上になり、補助いすを生徒がせっせと追加したほどです。

テーマは「移民政策について」で、各国の大使になった部員は、それぞれの国の事情を調べ、外交的に有利なそれでいて世界の秩序を形成できる提案を立案して発表します。たんに英語ができるだけでは、これはできません。世界地理や歴史、世界の政治経済の状況をきちんと調べ、その国固有の問題や地政学的リスクも調べていきます。政策にはエンジニアリングやテクノロジー的なイノベーションの知識も必要です。

プレゼンテーションは雄弁でなければならないし、交渉はタフネスがものをいいます。そして、何と言ってもグローバルリーダーシップです。

部員は全員1人1台のタブレット型ラップトップを持って、調べたり、編集したり、コミュニケーションをとったり、発信したりもします。議論すべき内容も当然ながらSGDsに強く関連するテーマばかりです。今や富士見丘の模擬国連での活動は、ある意味STEAM教育といっても過言ではないでしょう。

もちろん、オールイングリッシュで準備から本番、振り返りまで展開します。二人の外国人講師と一人の英語科教諭田中先生が強力なサポートしていますが、長年イギリスや米国で研究し、法学のPh.D.(博士)まで取得している理事長補佐・校長補佐の吉田成利先生(明海大准教授)が全面的にバックアップしているのは、他校にない最高の環境です。

日本は、先進諸国の中で女性の社会進出が最も遅れている国です。今後富士見丘生が今の社会で活躍するだけではなく、新しい世界秩序を創出するグローバルリーダーとしても活躍することになるでしょう。21世紀が女性に求める期待を富士見丘は体現しつつあるということなのです。

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