富士見丘学園の教師のプレゼンは、落ち着いていて、自信が内側から伝わってくる謙虚な印象を与えるものだった。品性という表現がぴったりであるが、同時に爽やかな雰囲気もあり、質感という言葉が思い浮かんだ。
私自身大学は帰国生入試で受験したから、集中してプレゼンや小論文、それからディスカッションのトレーニングを本間先生方と楽しく行った。先生方は、明快・簡潔そしてなんといっても感銘をとそればかりだったから、それがすっかりフォームとして定着し、今も役に立っている。
富士見丘の教師のプレゼンは、そのフォームを柔らかくわかりすく使っているのに感動してしまった。学校の特徴を簡潔にまとめてくれた。まず4つの特徴があるということで、グローバルスタディーに力を入れていること(英語授業のみでなく留学などを設けている)、土曜日を有効活用していること(授業は行わないが、各生徒に研究課題を持たせ、先生に聞くなどして自分たちで研究を進めさせる)、補講や講習が充実していること(0時間目7時間目に補講行ったり、塾に行かなくても長期休暇中は学校で講習を受けられる)、92科目と選択科目が多いことについて説明を受けた。
そしてそれぞれのディテールも特徴を明快に表現されていた。グローバルスタディーの行きつく先は、ロンドン大学をはじめとする海外大学へ。そのような進路の道もサポート体制がしっかりできているということだ。これはビジョンだけではなく実効性のエビデンスをきちんと用意しているということを示唆しているとすぐに理解できた。
土曜日の学びの有効性は、海外と日本の教育を受けた私にとっては、すぐにピンときた。日本の教育は、やはり受け身で、教師の言っていることを聴きとって整理しまとめるだけ。自分のものの見方や感じ方を対話するチャンスがない。対話によって自分が持っているテーマに気づき、探求したいという欲求が生まれてくるものである。私が通っていたフランスの高校では、哲学授業が実際にあったし、国民性とはいえ、よくしゃべりよく考えるという環境にあった。
グローバル時代では、そのような探究への道を自分で開くことを、互いに欲求するようになる。それと同じ質感がこの土曜の講座には創意工夫されているのだと確信した。
説明をしてくれた先生は、これからテニス部の大きな大会にかけつけると語られていた。部活動も活発で、優勝する部活もあるのは、生徒たちの高い意識や熱い想いに応える教師がいるからであるとすぐに共感できた。
インタビュー終了後、パンフレットにポケットティッシュ・ラムネ・ボールペンを入れてプレゼントされた。受験生に渡すものと同じもの。女子校ならではの創意工夫である。