Created on 6月 23, 2013
英語科の窪田先生からは、英語コースの特色である英語劇(Drama)について話を伺った。Dramaは、ただ英語を暗記すればできるというものではない。台詞がリアリティを持つためには、役作りをする中で、その人物の考え方や、文化・時代背景について、深い理解が必要になるのだという。
Dramaを指導するネイティブの英語教員は、配役についてのイメージを、リハーサルを通して固めていく。生徒はそれが分かっているから、先生に働きかけることもするし、仲間同士で教え合ったり、支え合ったりもする。
当然劇には主役もいれば、端役もある。裏方を担当する者もいるのだが、それぞれの役割を果たしながら全員で一つの劇を作り上げることがポイントだという。時には演出の仕方を巡って先生と生徒が白熱の議論を交わすなど、劇のセリフだけではなく、自然に英語を使う場面が多くなるようである。
ここにはやはり文杉の学びの特長が表れている。すなわち、講義などで知識を得るタイプとは異なる学び、いわゆる参加型の学びが組み込まれているのだ。しかもDramaではテーマが無尽蔵にあるわけだから、究極のPBLと言ってよい。
かつてはディベートを行っていたというが、より感情を込められるということから、ディベートからDramaに変わったという経緯があるらしい。このあたりも文大杉並らしさと言えるであろう。
ディベートもDramaも、古代ギリシアに源流を持ち、相手に何かを伝えるアートという点で共通している。論理に訴えることを重視するディベートよりも、感情に訴えるDramaは確かに文大杉並に相応しい取り組みだったのかもしれない。校長の語った「感動の教育」、教頭が触れていた「感性」、そして窪田先生の「英語劇」が一つの筋として私の中でつながってきた瞬間だった。
文化祭の出し物として有名なファッションショーもまた、同じ文脈で見ることができる。それはイベントがPBLとして機能しているということである。そのPBLが感動を引き出し、文大杉並の教育のエンジンとなっているのである。