近藤彰郎会長 新春インタビュー(了)

【2014年の私立学校】

   <今こそ「感性教育」を> 近藤彰郎会長新春インタビュー

   底上げ教育と真のエリート教育と感性教育

(ダライ・ラマ法王の八雲学園訪問のとき、チベットTVが近藤校長にインタビューしたニュースの録画。チベット語の吹き替えや字幕をみながら「グローバル・コミュニケーション」とは何かを議論している。「ツールとしての英語」から新たなステージの「グローバル英語」について考える特別講座のシーン)

近藤先生:2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されることとグローバルな流れは別々のものではありません。いつも生徒には、7年後に自分はどうしているかイメージして、そこに向かってチャレンジしていくように語っています。

国際的なイベントでもありますが、今ここで生活の中で自分を大きく成長させるイベントでもある得難い体験となるからです。

我々は、学力のみならず総合力を育てる教育を積み上げてきました。お預かりした生徒1人ひとり全員が総合力を身につけていける教育が私立学校の特色です。

しかし、それはある意味全員が社会に出たときに自己判断しながら生きていける力を身につけさせる「底上げ教育」です。

基本的なマナーや思いやりの心も含めて私立学校の生徒全員が身につけていけば、将来社会に良い影響を与えていくと確信しています。

そして、ここまできたからこそ、さらに生徒1人ひとりの才能を伸ばす教育をしていこうと思います。感性教育に裏付けられた真のエリート教育がそれです。

(文化祭では、東京オリンピック・パラリンピックについてリサーチして、発表するクラスもあった)

英語が得意な生徒は、もっと得意になり、たとえば、7年後の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、英語で世界の人々とコミュニケーションをとりながらリーダーシップを発揮してほしいし、歴史や文化に興味がある生徒はさらに掘り下げて、日本の文化を海外の人々に伝えて欲しい。

バスケットが得意な生徒は、オリンピック選手として頑張って欲しい。いろいろなスポーツでそうなれるチャンスが、今目の前の生徒たちにはあるのです。

7年後は10万人のボランティアの協力が必要だと言われていますが、私立学校だけでもたくさんのボランティアを行う生徒が出るでしょう。全面的に応援します。

本物体験を通して生徒1人ひとりが自分の能力を開花していきます。この7年間は、そういう意味では、8年目以降の重要な新たな教育の土台を創ることになります。

今八雲学園では、底上げしてきた英語教育をベースにさらに次のステージの英語教育を組み立てています。

高3になると6年間の英語教育が完成するわけですが、すでにAO入試や公募推薦入試で合格している高3生に「グローバル・コミュニケーション」という「ツールとしての英語」の次にくる「言語としての英語」を学ぶステージに入っています。

昨年から、毎年行っている12月の英語劇でも、表情や感情を英語で表す本格的なドラマ・エデュケーションに挑戦し始めました。

国際交流もエール大学の学生と行うようになりました。彼女たちとは、コーラスを通して芸術的な交流をするのですが、一人一人は、法律家、科学者、医者、心理学者、教師、アーティスト、アスリートなど様々な進路を決めています。まさに感性教育をベースとする真のエリートです。

本物体験の環境、本物の人格者や才能者との出会いこそ「感性教育を完成する」ためには必要なのです。

(「おもてなし」は八雲のウェルカムの精神そのもの。そしてダライ・ラマ法王お墨付きの八雲生の「スマイル」はコミュニケーションの扉を開く)

                                               聞き手 本間勇人:私立学校研究家

 

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