三田国際学園のアクティブでインタラクティブでクリエイティブな授業が始まった。中1の英語、高1の英語。完全英語で授業を行っている。中1は、ハイレベルな英語の体験者がほとんどいない。しかし、あの「ニュートレジャー」を、はやくも英語で使いこなしていく。今回は、スナップ写真をご覧いただきたい。by 本間勇人:私立学校研究家
中1の英語はティームティーチング。ネイティブスピーカーの英語教師も日本人の英語教師も、そのパフォーマンスはパワフル。
コミュニケーションもあふれでるほどで、相互通行型をすっかり超えて、クラス中対話で言語のリズムであふれている。
そしてホスピタリティにあふれている。
プレゼンテーションも、Q&Aの対話のシークエンスの中に設定している。文法事項は教えられない。しかし、英語のコミュニケーションのフレームは五感で体得していく。
ピアサポートも忘れない。1人ひとりのケアも万全。
ハードルを教師が設定するのではなく、生徒が自ら飛べるハードルを設定する。そして、いつの間にか、自分でクリアし高くしていくモチベーションを燃やしている。
さりげない繊細なプログラム。しかし、これこそ21世紀型スキルが大切にしているあの「発達の最近接領域の発見」であり、そこから生徒は自らを評価することによって学ぶ力を身につけていく。これが、20世紀型教育における“assessment of learning”ではなく、21世紀型の“assessment as learning”である。言うまでもなく、この評価方法は、日本の教育現場では、まだまだ広まっていないモチベーションを燃やす重要な方法である。
最終的には、小さなドラマパフォーマンス。1時間の中で学んできたパーツを全部組み合わせて、英語で演じきる。参加しない生徒は誰もいない。演じる側はチャレンジし、聴衆・観客側はエールをおくる。何気ない参加型の授業であるが、互いに支え合うことができる幸せ感がキラキラ輝いている。
高1のスーパーイングリッシュコースの授業も、中身は高度だが、アクティブラーニング、相互通行型授業、英語で展開というのは、まったく同じである。単語も、派生語を確認したり作文をその場でつくりながら学んでいく。わからなければiPadで調べながら考えていくパラレルワールド。
それにしても、これは「語用論」(あるいは広義の「意味論」)ベースの言語の構造を学んでいるということではないか。ニュートレジャーを監修した英語の先生から背景に盛り込んでいると聞いたことがあるが、三田国際学園では、明快に生徒とシェアしているのは驚きである。
シャドーイングも、写真では英語の授業の定番のように見えるのであるが、三田国際学園の英語は一味もふた味も違う。実は互いに、評価し合っているのである。「相互評価」を意識しコマめに挿入する授業。これも「メタ認知」を活用する21世紀型教育の面目躍如。
7時限目の中1の英会話はダイナミック。
ゲーム感覚の授業が徐々にドラマティックに展開していく。
ヤングアメリカンズのミュージカルを身体で伝えていくロールプレイングの手法で、対話のパフォーマンスを伝授。英語を英語で学ぶ授業とは、五感をフルに活用したRPG型のミュージカルパフォーマンスの手法だったのである。なるほど!ミュージカルやオペラという総合的アートの手法こそ21世紀型教育における“art of language”だったのである。
この手法は、これまで日本の英語教育現場では行われてこなかった。いよいよ三田国際学園から世界標準の授業が始まった。