今年も、八雲学園はエール大学のコーラスチームとさらにパワフルに優雅に音楽国際交流を行っている。エール大学のコーラスチーム“Whim'n Rhythm”は、ボストンツアーや世界ツアーの演奏旅行で、世界のパースペクティブを受容し、世界精神の創出のためのボランティア活動を行っている。
この時期はチームのうちエール大学を卒業したメンバーによる2か月の卒業演奏世界ツアー。東京の八雲学園から交流は始まった。初日のスナップをご紹介しよう。by 本間勇人:私立学校研究家
(最後は、軽音楽部と交流。アカペラでジャズポップスを披露。軽音楽部のロックに、魂を揺さぶられ、音楽は世界共通言語であるとノリにのった。)
八雲学園のための「Whim'n Rhythm」コンサート前日、コーラスチームは、八雲学園を訪問。エール大学はクリントン大統領をはじめ、多くの世界のリーダーを輩出。将来大統領になってもおかしくない才能者の集団である。彼女たちは、八雲学園で日本の文化を堪能し、同時に日本の未来を支える女性の存在が目の前にいるかもしれないと感じた交流となった。
エール大学の学生は、自らの人生のデザインを八雲学園の生徒と対話した。もちろん英語で。八雲の生徒たちは、芸術性豊かなエール大学の学生が、音楽だけではなく、コンピューターサイエンス、宗教学、国際政治学、演劇、環境政策などについて、広く、深い見識をもっていることに人間の存在の大きさを感じたという。
書道、空手、折り紙といった日本文化が大切にしている「道」そして「美学」を八雲の生徒にすなおに導かれたエール大学の学生の「寛容性」。八雲の生徒は、リーダーの重要な条件の1つ「寛容性」をシェアしたことになる。
もちろん、エール大学の学生は、この日本文化と自分たちの芸術性が、空間と時間を内面に響かせる親和性について笑みをたたえながら感じていたに違いない。世界共通の言語は、魂をゆさぶる響きのコードの編集であることは、彼女たちが一番理解していることなのだから。
共につくり、語り合い、共に食す。食文化こそ、信頼関係を築く大きな一歩。上記写真にあるように、食材が違うのは、ベジタリアンとそうでないメンバーの違いが反映されている。食文化を伝えながら他者との文化的差異を受け入れる八雲の生徒。常に交流は相互補完の精神が必要ということだろう。
そして、声楽部、吹奏楽部、軽音楽部と交流。互いに音楽を交換しながら、最後は一体となっていく。それにしても八雲学園の軽音楽部のロックは、エール大学生にしっかり響いた。
軽音楽部のロックに合わせて、生徒たちと身体を軽快に動かしていた近藤校長は、「声楽部や吹奏楽部は、ほとばしる純粋な感性を表現する。一方でロックは、世の中にでたら、豊かな感性をいつのまにか束縛されてしまっている自らの壁を打ち砕く強烈な響き。エール大学の学生は、どの領域の響きにも共鳴できるし、自らを表現できる。豊かな感性とは文武両道どころではなく、いわば文武多様。八雲の生徒の人間としても女性としても、そうなって欲しいというモデルだと思っている。エール大学とのこの交流は、八雲の感性教育に欠かせない」と語る。
2日目の「Whim'n Rhythm」コンサート。大いに楽しみである。