チーム内での対話が終わると、各チーム2名を選出して3分間の発表を行った。発表は全部で3回。発表者は持ち回りで、発表者以外は気になるチームのポスターセッションを見て回る。3回のセッションの後、最も印象に残ったチームが代表として最終プレゼンを行った。
ポスターセッションは8チームが同時に実施する。ギャラリーは、ポスターの内容や発表のトーンから、ここぞと思うチームの前で立ち止まり、しばし発表に耳を傾ける。
どのチームも終始和やかな雰囲気。しかしポスターを見るとチームごとに違いがあって興味深い。
ポスターのまとめ方ばかりではない。プレゼンの仕方もチームそれぞれの特色がある。
プレゼン内容に優劣をつけることは困難であるが、各チームのポスターセッションを見て回ることで、ここにも「比較」「気づき」といった構造が表れる。
印象に残ったチームが一つ選出され、代表チームとして最終プレゼンを行った。1~4までの問いに対してバランスよく回答し、プレゼンも二人の先生が役割分担して行っているところが特徴的であった。
8つのチームで唯一、学校の教員以外で構成されたビジネスチームも最終プレゼンを行った。ビジネスチームだけあって、外部変化に対する眼差しや、比較分析を重視しているところが特徴的であった。
チームでの対話を通して、あるいはポスターセッションでのリサーチを通して、ワークショップの参加者は様々な気づきがあったようである。21世紀型教育を実践する際のジレンマに対して、リフレクティブに振り返る人もいれば、乗り越えるべき課題をクリティカルに考える人もいる。ここでの問いをきっかけにして、次のアクションや対話の科学反応が起きるかどうかがこのワークショップの真価が問われるところだろう。
共立女子中学高等学校の渡辺眞人校長先生は、リベラルアーツという、私学の教育の原点とも言える精神に言及し、未来へのビジョンを持つことの重要性について語った。
21会の使命は21世紀型教育の定義をして終わりというわけではない。渡辺校長先生の言葉は、21会が21世紀型教育を「創りだす」組織体なのだということをはっきりと思い起こさせるものだった。
カンファレンスの最後を締めくくるにあたり、菅原先生は、この日の対話を各学校に持ち帰って、議論を広げていただきたいとメッセージを届けた。
終了時間は30分以上オーバーしていたが、高揚した気分が会場全体を包んでいた。
各チームに分かれていた同じ学校の先生が連れだって、この会場を後にしていた。対話の続きはそれぞれの学校で実践されていくことであろう。