2023年2月19日(日)和洋九段女子中高のフューチャールームに21世紀型教育機構加盟校の校長やマネージャーが集まり、2022年度の総括となる第2回定例会が実施されました。昨年の4月末に第1回の定例会を開催してから9ヶ月半ぶりの開催となります。
今年度の総括という意味合いだけでなく、次年度の方向性を宣言する意味合いもある定例会です。その冒頭挨拶で平方邦行理事長は、1889年、1989年、そして2089年に至るいくつかの重要な年号を示し、地球の未来を見据えて教育に携わることの意義を訴えました。
変革の時代には過去と決別していくことが求められることを、20世紀初頭の前衛芸術における潮流を参照しながら確認し、さらに幕末における私塾の歴史やバカロレアの入試問題に言及し、硬直した現在の教育を打破する糸口を提示されました。
2020年以降のコロナ禍、そして経済的にも低迷が続いている日本にあって、21世紀型教育がますます求められるようになっています。21世紀型教育機構では、2011年の21会発足時にPeer Instruction型授業に注目し、その後PBLや思考コードに基づくアクレディテーションの仕組みを築いてきました。
しかし、全国的には20世紀型の知識・理解ベースの指導がまだまだ当然のように行われています。平方先生はそのような20世紀型教育からの脱却を加速するべく「日本私学教育研究所」の所長として、北海道から九州まで日本全国を訪れ、私立学校の校長やマネジメントレベルの先生方に講演活動や研修を実施してもいます。「思考コード」の考えに基づく「「研修コード」を活用することで、高次思考への覚醒を促しているわけです。
私学としての存在意義、そして私学が果たす使命は何なのか、もう一度考えてほしい。21世紀型教育機構では、それをゴールデンルールに照らして考えてきたはずです。というメッセージを平方先生は私たちに届けられました。
機構理事の大橋清貫先生(三田国際学園学園長)からは、中学受験のマーケットについてお話しいただきました。
前任校と現在の勤務校合わせて18年の校長職を通して、今年ほどマーケットの動きが不思議だと感じたことはないとお話されます。というのも、先行きが見えないまま消費者が学校選択をしている感じがあるというのです。
このことは、大学合格実績といった数字ばかりに踊らされていた従来のマーケットとは異なるフェーズに突入したものの、一方で、新しい教育を受けさせたくてもその実態が見えないまま学校選択をしなくてはならない現状の受験マーケットの状況を言い当てています。
このような状況において、21世紀型教育機構の加盟校は、外部団体によるアクレディテーションによって、質保証を受けているわけですから、すでに5年以上の蓄積したエビデンスがあります。そういったエビデンスベースのマーケティング手法を用いて、かつ自分の学校のカラーを意識すればもっと中学受験市場での保護者に選ばれていることになるとお話されました。そのようなアピールの場としてマネジメント部会のリーダーシップを強めていきたいという抱負を語っていただきました。