新しい時代を画するカンファレンスが実施されました(1)

2月18日(日)「22世紀型教育へのレバレッジポイントを創る」と題したカンファレンスが和洋九段女子で行われました。

 
 
冒頭の挨拶で、平方邦行理事長は、2024年1月1日に北陸地方を襲った大地震、そして生成AIが描いた「22世紀から見た21世紀型教育」の風景を提示することからお話を始めました。私たちが自明としている日常が非常に脆いものであること、そして1〜2年前には想像できなかったような未来が、今まさに現実のものとなっていることを示したわけです。これからの社会を生きる中高生を教育するには「22世紀型教育」という未来をイメージするビジョンが求められる所以です。
 
 
平方理事長は、出世数の減少と人口の変化、宇宙への進出と未来の展望、教育の必要性と課題、グローバルリスクと問題解決、DXへの投資などの現実を指摘しながら、今や当たり前となった21世紀型教育を、AIとともにアップデートする「World Making Wisdom」という考えが必要であることを強調しました。
 
 
 
三田国際学園学園長の大橋清貫先生は、いくつかの学校の学校改革に携わってきた経験をもとに、「三面等価の原則」という経済学の理論が、学校経営にも通じることについて言及されました。教育の中身をよくするための先行投資(教員の質)は欠かせないが、やがてその教育の中身は生徒の評判につながり、海外大学をはじめとする実績にもつながっていくというブランディングのお話がありました。
 
ブランド化の過程の中で、特に大切なことは、マーケティングにおける「P」の中でも、ピア(仲間)の重要性、プレイシング(立地)の重要性であるとお話されました。21世紀型教育校の素晴らしい教育内容を伝えるためのポジショニングのヒントとして、先進性を横軸にとり、縦軸には自校独自の学校価値をとることで、中学受験をさせようという高いアンテナを持つ保護者には、偏差値によらない教育の質が伝わっていくはずであるという経営論を語っていただきました。
 
 
 
順天学園校長の長塚篤夫先生は、文部科学省高校ワーキンググループとの接点をもとに、高校教育における課題や今後の方向性についてお話されました。
 
高校教育において、多様性と共通性のバランスをとっていくことは、個々の生徒のニーズに応え、なおかつ、社会的な基盤を提供するために不可欠です。文科省における共通テストや基礎力テストの議論は、このバランスを確保するための取り組みの一環であることを説明しました。
 
一方で、多様な教育実態が生まれている高校教育における研究者不足が課題となっていることや、通信制高校および不登校生徒の増加について言及され、こういった課題は、高校教育の役割や課題が未だ十分に探求されておらず、公立・私立を問わず、今後どのように高校教育を進めていくかが問われていると指摘されました。さらに、インスティチューショナルリサーチ(IR)の活用を通じて、生徒の能力や成績を総合的に把握し、個々の学習に合ったサポートや教育プログラムを提供することが可能となることを示唆され、これにより、高校から大学へのスムーズな学習移行や、生徒一人一人の能力を最大限に引き出す教育が実現できるという可能性を強調されました。
 
 
 
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