体育館での説明会が募集要項の話になるところで、子どもたちは授業・クラブ体験に移動。この日は全部で16の体験イベントが行われた。期待と緊張が入り交じった面持ちで子どもたちはお目当てのイベントへと向かった。
「世界の食卓」というタイトルに誘われて、社会科のクラスにふらりと入ってみた。先生がにこやかに迎えてくれ、子どもたちもリラックスしているのが一目で分かる。
机に置かれているシートに自分の好きな食べ物を記入し、自己紹介をする。先生、先輩そして受験生と続いた。
自己紹介が一通り済むと、在校生と受験生それぞれにiPadが渡される。先生の指示に従ってアイコンを操作すると、そこには1枚の写真。写っているのはどこかの国の食卓だ。
チームで打ち合わせを行う。先輩が気づいたことをパートナーである受験生に相談。自分の知っている料理や素材を見つけては、どこの国のものかを検討する。
授業の始まりからわずか15分程の間であったが、21世紀型授業が展開されていることはすぐに分かった。机の配置。先生の立ち位置。そして「I DO YOU WATCH」「I DO YOU HELP」から「YOU DO I HELP」「YOU DO I WATCH」に至る、学習者を中心とした授業展開。さらに、生徒が知らない知識を授けるのではなく、生徒が知っている知識を利用して授業を展開する手法。このような授業の達人が何も偉ぶることなくそこに居るということに感動すら覚える。
この後チーム対抗戦が行われ、自分たちの判断の前提となった知識や推論の検証がなされた。体育館での募集要項の説明が終わり、保護者も体験イベントに合流する。
チーム対抗戦といっても、勝敗を競うわけではもちろんない。笑いと好奇心に包まれた雰囲気はそのままだ。ここではiPadはノートや教科書と同じ一つの道具、あるいは環境の一部である。
先生も在校生も子どもも親も、「主体的に学ぶ教育環境」をシェアしているのである。